第五話 You.side ページ6
A「…行ってきまーす。」
返ってこない返事を気にも留めず、学校へ向かう。
私はAA。今日から高校生になったのだけれど、
両親は姉ばかり見ているから、私の事はほったらかし。まぁ、もう慣れたんだけどね。
どんな人がクラスメイトになるのかワクワクする。
足早に学校につき、入学式を迎える。
…その時の事、なぜだか人からの視線を感じてしまい、少しだけ怖く感じた。
気のせいだと思い、教室へと向かう。
ミヤジ「担任のミヤジ・オルディアと言います。ご入学、おめでとうございます。」
褐色肌で、優しそうな声の人が担任の先生だった。
そして次に、自己紹介を行う。
フルーレ「え、えと、僕はフルーレ・ガルシアといいます。趣味は…服を作ること…です。」
顔を真っ赤にして、もじもじしている子がいた。
人前で話すことが苦手なのかな?と思っていると、別の人の番が来た。
バスティン「俺はバスティン・ケリーだ。…よろしく。」
簡潔だけど優しさのある人だと思った。次は私の番だ、緊張するなぁ。
貴方「私はAAといいます。これから仲良くしてくれると嬉しいです!」
友達が多い方ではない私にとって、高校というものは友達を作るいい機会。
このチャンスを逃さないようにしないと!
自己紹介が終わると、クラスの女子は皆、あの二人に集まる。
女子「ねぇねぇフルーレ君って、服作れるんだってぇ?凄いねぇ!!」
女子「バスティン君は何が好きなのぉ?私はねぇ、お花が好きなの!」
イケメンということもあり、早速モテモテで、結局私は独りになってしまった。
今日は自己紹介が終わると、すぐに帰ってもいいという事だから、帰ろうかな。
私には幼馴染がいる。保育園から一緒で、家も隣同士。
高校では別のクラスになっちゃったから、誘って一緒に帰ろ。
と、そう思いながら教室を出ようとすると、フルーレ君に話しかけられた。
フルーレ「え、えっと、A…さん?良ければ仲良くしてくれると嬉しいな。ほ、ほら!席も近いから!」
友達ができたようでとても嬉しかった。
女子たちの視線は痛かったけど、嬉しさでそんなことも感じない。
貴方「うん!もちろんだよ!これから仲良くしよ!」
笑顔でそう答えると、フルーレ君は顔を真っ赤に燃やして、小さく頷いた。
それからフルーレ君は小走りで教室を出て行った。残ったのは刺すような視線だけだった。
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作者名:夢野みぃ | 作成日時:2023年12月10日 14時