第三話 ベリアン.side ページ4
主様は、私達に見守られながら、息を引き取りました。
それも、今まで見てきた、穏やかな美しい笑顔で。
そしてその瞬間、執事全員が、絶望した。
最初はラムリ君、次にラト君、ハウレス君と、悲鳴に近い叫び声をあげながら、
悪魔化していきました。
ベリアン「まずいです!このままでは、全員死亡してしまいます!!」
ハナマル「テディちゃん!落ち着け!今悪魔化はダメだって!!」
ロノ「おいバスティン!やめるんだ!」
三人以外にも、多くの執事が寸前まで来ている。私は…どうすれば…
テディ「主…様が…いな…い、どうすれば…」
バスティン「主様が主様が…俺は…また…!」
焦りで頭がガンガンしてきましたが、しっかりしなければ。
ルカス「主様がいない今、力を出すことも、悪魔化を救うこともできない…」
ロノ「クソっ!どうすればいいんだ!」
フルーレ「…?っ!ミヤジさん!!しっかりしてください!」
ミヤジ「ぐっ!主…様…!」
きっとみんな、生きる希望を持てていないのでしょう。それは私もです。
だって、主様がいないんです、けれど、生きなくては!
フェネス「嗚呼…ダメだ、まだ、なっちゃいけないのに…主様…!!」
ムー「皆さん…!主様ぁ!」
ルカス「…医者である私が付いていながら…主様主様主様!!」
ユーハン「なぜ、息をしないんですか…主様…」
ボスキ「ダメだ、こんな…ところで!」
じわじわと迫りくる黒い感情がその場にいた全員を蝕んでいきました。
アモン「ベリアンさん、こんな大人数が悪魔化して勝てる見込みって限りなく0じゃないっすか?」
ベリアン「ですが…生きていなくてはならないんです。」
フルーレ「すみ…ません、ベリアンさん、僕も…もう…」
ベリアン「そんな…フルーレ君まで…」
焦りと恐怖と悲しみが襲ってくる心持でした。なんとか必死に感情を押さえつけようとしても、
それがいつ溢れだすか分からない。主様がいてくだされば…主様が…主様がいない…
引っ張っていた糸が切れるような音と同時に、黒い感情に飲み込まれていった。
ロノ「ベリアンさん!!」
ベリアン「…主様、主様、主様!!」
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:夢野みぃ | 作成日時:2023年12月10日 14時