【あくねこ】いつでも一緒です、主様。【ヤンデレ】 (ページ12)

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第十一話　フルーレ.side ページ12

怖くなって、冷や汗が止まらなくて、慌てて起きた。

夢の事が頭から離れず、涙が零れ落ちた。

フルーレ「ははっ、なんで、泣いてるんだろう…俺は、俺は何も、できなかったのに…」

忘れることのない、最期の記憶が鏡の中に映し出されるような感覚だった。

主様の、あの笑顔。仲間の皆の悲しみや悲鳴、焦り。

そして何より、自分の感情がコントロールできなかったこと。

絶望という色に染められて、手足を縛られたようだった。

だけど、過去は過去。今は主様がお傍にいる。それだけで満足しないと。

…正直な所、主様がお傍にいてくださるだけじゃ、足りないと思ったことがある。

恋人として、「愛しています」と言いたいと、何度も思った。

他の皆だって、主様の事が大好き。だから、その感情を表に出さないようにしていた。

主様を思う気持ちは、誰にも負けないと思いながらね。

他の執事に嫉妬することもあったなぁ。そう昔の事を考えながら、学校へ向かう。

教室へ入ると、ミヤジ先生と、主様がおしゃべりをしていた。

この学校へ来て、他の執事とも会うことができた。その一人がミヤジ先生だ。

それに、バスティンさん、ロノさん、ベリアンさん、ハウレスさんもいた。

それぞれが前の姿と変わらなかったから、すぐに分かった。

再会はとても嬉しかった。主様にも会うことができたからね。

フルーレ「お、おはよう、A…さん。」

貴方「あっ！おはよ、フルーレ君！」

フルーレ「そ、そうだ、Aさんに似合いそうな服を考えてきたんだけど、見てくれる？」

ドキドキしながら、昨日描いた服の案を見せる。

どれも主様に似合うように描いたからどんな顔をするのか気になってしまう。

貴方「えっ！？私の為に？！なんだか悪いなぁ。だけど、ありがとう！どれもとっても可愛いね。フルーレ君、凄いよ！」

花が咲いたような笑顔を向けてくれる主様。嗚呼、俺はその笑顔が欲しかったんだなぁ。

フルーレ「い、いや！そんな大したことじゃないよ！喜んでもらえてよかった。」

貴方「大したことあるよ！こんなに可愛くて綺麗な服を作ったり描けるだなんて、私にはできっこないもん！」

そう言って沢山褒めてくださる。照れながらも主様の目を見つめる。

…主様には、現世で好きな人はいるのかな？俺を好きになって、恋人になって欲しいのに、

それを邪魔する人がいるのかな。それなら、俺以外の執事たちが許さないと思う。

だって、俺たちの主様だもん。