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A.side
慌てる様子の彼が、私の肩を掴んで宥めた。なんとか頭痛は収まり、次第に涙もやんだ。
そういえば、この人...今日夢に出た人だ...
『あ、あの...もしかして貴方は...私の大切な人だったりしますか？』
もしそうなら謝りたい。記憶を無くしたことと、迷惑をかけたことを。
レ「...ああ、いや、オレはその...」
そのまま少し黙った後、ゆっくりと口を開いた。
レ「...オレはただの友人だ。」
『それでも、私を助けて下さったのは貴方ですよね？ありがとうございます...！』
レ「...嗚呼。それより、なんでオレが助けたことを知ってンだ？」
『...夢に出てきました。本当に、ありがとうございます。』
レ「...そうか」
それだけ言って、病室を出て行った。
友人...私に親しい友人はいたのかな。それ以上の関係の気がしてならない。
けど、本人がそういうなら、そうかもしれない。
あの人の為にも、私は早く記憶を取り戻さないと。
知らないまま、誰かを傷つけたくなんてないもの。
病院での生活が初めてという事もあり、何をするべきか分からないまま、夜になった。
でもなぜか、眠れなかった。あの人の顔が頭から離れない。あの夢が心に残っている。
優しい人だった。なのに、全部を忘れている。
病室から出て行く後ろ姿、悲しそうな表情を見ると、一生会えない気がした。
哀しくてたまらなかった。思い出したいのに、思い出せない、記憶の一片。
それを掴もうとしても、掴めなくて、あるときっぱり言えるのに、それを証明することができない。
きっとその記憶は、私にとって一番大事で、あの人のとっても、一番大事な何か。
なのに、思い出したくないと言うように思い出せない。
心がぽっかりと空いたようで、辛かった。いつか、あの人が埋めてくれたらなと、切実に願った。
―――――――――――
〜数日後〜
あれから一週間以上経ったけど、記憶は戻らなかった。
それどころか悪化し、今ではもう、あの人の顔さえ霞に巻かれているように分からなくなった。
あの人はあれから病室には来なくなった。それが悲しくて、あれが最後だったんだと感じた。
涙が出て止まらない。また、会いたかった。
会いたくて会いたくて、でも、顔も名前も思い出せなくて、それが辛くて。
気付いたときには、病院を抜け出して、街を徘徊していた。
何処に行けば、あの人に会えるのか知らないのに。
・→←ドーナツホール/ハチ(米津玄師)様 【レナトス・リボル】
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あき(プロフ) - 夢野みぃさん» ありがとうごさいます！ (5月4日 0時) (
レス) id: 6a224cc54b (このIDを非表示/違反報告)
夢野みぃ(プロフ) - あきさん» リクエスト有難うございます！2の方に作っておきますね！それまで少々お待ちを...！ (5月4日 0時) (レス) id: f4c9af3806 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - すみませんリクエスト良いですか？きゅうくらりんハッピーエンドバージョンが見てみたいです！出来れば作ってくれませんか？ (5月4日 0時) (レス) @page16 id: 6a224cc54b (このIDを非表示/違反報告)
夢野みぃ(プロフ) - ルリーナさん» コメントありがとうございます！！喜んでもらえて何よりです！ (3月30日 21時) (レス) id: f4c9af3806 (このIDを非表示/違反報告)
ルリーナ(プロフ) - セル最推しとして嬉し過ぎます!ありがとうございます!最高です！ (3月30日 20時) (レス) @page42 id: abd4cb76f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：9xwEvJ187ghD0yu | 作成日時：2024年3月7日 23時
