【曲パロ短編集】愛を謳う【マッシュル】

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ドミナ.side

Aが僕を愛した感情が流れていくように雨が降り注いだ。

彼女の言葉に対しての明確な答えなんて無いのに探してしまう。

でもそれは、僕に対しての皮肉を生むだけで意味が無かった。

そっか、僕は、Aの様な存在がずっと欲しかったんだ。

僕についてきてくれて、好きだと言ってくれて、そんな存在が。

いつの間にか、僕はヴァルキスに戻っていた。

そして月日は流れて、彼女の葬式も終わった。

気付いたときには、Aの名前が刻まれた墓場の前に立つだけ。

それを見て、後悔してもしきれない感情が襲ってきた。

過去を憎んで、恨んで、理想を描いた。そんなの、独りよがりに過ぎないのに。

素直に好きだと伝えれば、僕の居場所はあったのかな？

Aに抱き着いて『ここに居ていいよ』って言って貰えたのかな？

もう二度と会えない人を想う。愛し合うという思いをしなければ、こんな思いをせずに済んだ？

それなら、いつか返してよ、この想いを。

Aが僕を好きだと、愛してると言っている頃、僕は愛について全然知らなかった。

けど、それでも良かったんだ。それでも、今よりはずっと幸せだ。

―――――――――――

完全にお父様に見放されてしまい、実の弟に負けてしまった頃。

思い返すのはAの事だけだった。

彼女が死ななければ、僕達は結ばれただろうか。そんなこと、お父様は許さないだろう。

友人関係だろうと、もっと長く居たかった。それなのに、こんな結末になった。

与えられ続けた彼女の言葉を探し続けた。

それでも、言って欲しかった。一言で良かった。

『ずっと一緒にいよう』

この一言だけでよかったんだ。

永遠を誓えたならば、僕はそれで十分だった。

ド「もし、もしもう一度会えたのなら、Aから、言ってくれ...」

こんな悲しみ、もう勘弁だ。

メランコリック/Junky様　【セル・ウォー】→←阿吽のビーツ/羽生まゐご様　【ドミナ・ブローライブ】※シリアス

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