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A.side
この世は嘘ばかりだ。道徳をうたっても人は損得で動く。それが普通だ。
愛について説く教科書なんて、間違いばかりで虚しく思う。
こんなもの、無くなっちゃえばいいのに。
今日も私は、殴られる。顔がどれだけ腫れようと、骨にどれだけヒビが入ろうが関係ない。
そして最終的には、惨めに許しを請うだけ。
どうして許しを請うのかって?馬鹿馬鹿しい理由に立ち尽くすだけ。
殴られたせいで、真っすぐに立つことさえままならない。
ふと、空を見上げる。綺麗な空...じゃなかった。烏の群れに邪魔されちゃった。
私は、綺麗な空を眺める事さえ許されないのか。
―――――――――――
今日は特にひどくて、私は気絶したふりをした。
けれど、失敗に終わった。他の生徒から、腹を蹴られたから。
『げほっ、ごほっ...』
「起きてるじゃんw」「まだ寝るなよー」
後ろ指を刺されている感覚だった。周りに自分の見方はいないと言っている気がした。
生きているのが申し訳なく感じ、死にたくも思った。
ア「...今、傷を癒そう。」
また、アベルに会った。アベルはそう言って、私の怪我を治そうとした。
今の私は、上手に笑うことができない。
なぜなら、私をいじめた奴らを手にかけたいという思いが強いから。
そのせいで罪悪感も湧いてくる。
『...ありがとう。』
ぎこちない笑顔でその場をやり通す。
アベルは本当に優しい。どうして私にそんなに優しくするのか分からなかった。
『...ねぇ、アベル。正義なんて言葉、この世にないと思わない?』
ア「...嗚呼、そうだな。」
『どんなに無垢な人も...それこそ、シスターだって、欲はある。この世の理不尽は、たいてい見逃される。』
ア「...」
『じゃあ、私が人を殺したとしても、見逃してくれるかな...』
疲れ切って自分の判断や考えが鈍っている。そのせいか、訳の分からないことをペラペラと喋る。
アベルは静かに聞いてくれた。
『...出来損ないで、何度も耐えた。それなのに、周りは私を助けてはくれなかった。あんまりじゃないの...才能がない私が、懺悔しても知らんぷり...』
生きていることに嘆いている私に、アベルは優しく抱きしめた。
ア「...A...僕は、Aを助けたかった...」
『...アベル?』
ア「何度助けたかったことか。だが、教師たちに止められてた。彼女を助けようとすれば、即退学と。」
なにそれ...初めて聞いた。
・→←ミルククラウン・オン・ソーネチカ/ユジー様 【アベル・ウォーカー】※シリアス
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あき(プロフ) - 夢野みぃさん» ありがとうごさいます! (5月4日 0時) (レス) id: 6a224cc54b (このIDを非表示/違反報告)
夢野みぃ(プロフ) - あきさん» リクエスト有難うございます!2の方に作っておきますね!それまで少々お待ちを...! (5月4日 0時) (レス) id: f4c9af3806 (このIDを非表示/違反報告)
あき(プロフ) - すみませんリクエスト良いですか?きゅうくらりんハッピーエンドバージョンが見てみたいです!出来れば作ってくれませんか? (5月4日 0時) (レス) @page16 id: 6a224cc54b (このIDを非表示/違反報告)
夢野みぃ(プロフ) - ルリーナさん» コメントありがとうございます!!喜んでもらえて何よりです! (3月30日 21時) (レス) id: f4c9af3806 (このIDを非表示/違反報告)
ルリーナ(プロフ) - セル最推しとして嬉し過ぎます!ありがとうございます!最高です! (3月30日 20時) (レス) @page42 id: abd4cb76f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:9xwEvJ187ghD0yu | 作成日時:2024年3月7日 23時