9人の王子様との恋、いかがですか？ -in summer-

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涼介「どうも人事部の山田です。」

「どうも、伊月です。」






二宮「お前らすげぇ堅苦しい挨拶だな。」







人の気をよそにぎこちない私たちをみて
二宮先輩は笑っていた。







「先輩のせいじゃないですか!
　というか暇そうなやつって言ってましたけど
　山田さんじゃないですか!
　何、あそこの若手のエース引っ張ってきてるんですか!」





二宮「ん?気分。それに……」







二宮先輩はなぜだか不敵な笑みを浮かべて
山田さんの方を見る。



でも、山田さんはその視線を完全無視。









涼介「俺、言うほどそんな有能じゃないですよ。
　 たまたま入社した時に人事部に配属に
　 なっただけで流れに身を任せてるだけですよ。」







この商社には役職とか部署にかまけて
鼻につくエリートさんたちも目につく中


こんな謙遜する人もいるんだなぁ。


若手のエースとか噂で聞いてたから
難しい人なのかと思ってたけど



案外、いい人かも。







二宮「そうそう。コイツ、女性社員に噂で
　 王子様とかエリートくんとか
　 言われてるみたいだけど普通の男だからね。
　 家だとダボダボした服に……」





涼介「それは二宮先輩も負けてませんよね。
　 あの首の部分がのびた白T捨てたほうがいいですよ。」




二宮「おいおい、あれは俺の1軍の服だぞ。」

涼介「あれが1軍なら3軍どうなってんですか。」









でも、女性社員の憧れの的の人だから
変に目をつけられないようにしよう。



秘書課の人とかに目つけられたら
面倒なことになるし……








涼介「あの、なんて呼べばいいですかね?
　 一応同期入社なんですけど。」



「あ、全然好きなように呼んでください。
　私は山田さんって呼ばせて頂いていいですか?」






涼介「はい。じゃぁ、俺は……Aさんって
　 呼ばせていただきますね。」








久々に下の名前で呼ばれてちょっと戸惑った。



会社だと後輩には先輩って呼ばれて
同期と上司には伊月だし。









「伊月って呼び捨てで全然構わないですよ?」



涼介「いや、俺がこう呼びたいんで。
　 嫌でした……か?」






「いえ、嬉しいですよ。
　久々にときめいちゃいました、胸キュンですよ。」



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