演武 ページ37
もう少しアスールが頼りない男だったならば、トールはヒットアンドアウェイで地道に内臓へとダメージを蓄積させていく作戦だった。
しかしかの騎士は近隣で最強と謳われるあの“賞金稼ぎ”を二人同時に相手できる化け物だ。
彼がいなければ、あるいは彼がペアを組んでくれていなければ
トールはあっという間に細切れ肉にされていただろう。
それもアスールが二人の注意を引き付け牽制することで隙を生じさせているおかげだ。
この機を逃す手はない。
鬼は大きく地を蹴り出し、只人には為せないスピードをもって矢のように相手の懐へ入り込む。
無骨なヘルムの男が剣を振り抜くがもう遅い。
その刃が切り飛ばしたのは少年の不揃いな金髪数本のみ。
「残念だったな」
振るわれる拳が唸りをあげる。
硬い防具の隙間を正確に捉えたその一撃が着弾するや否や、青い閃光が空気を裂く音が響き渡った。
風と雷を司る神を奉ずると言われる鬼族は信仰の強さによりその寵愛を受けることができたと言う。
「すごい……」
そう漏らしたのは観客の方であったか、はたまたその神の御技を直に受けた男自身であったかは雷鳴によってかき消される。
全身を焼かれた男は何の抵抗もなく地に倒れ伏し、そのまま動かなくなった。
「すぐにお前もこうしてやる……何、息の根までは止めてやらねぇさ」
輝く金の双眸が残る獲物を舐り回す。
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あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます!とっっっっっっっても嬉しいです!!!続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います!あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります! (2021年3月25日 23時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫((うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます!これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします! (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫((うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます!あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あああああ | 作成日時:2019年4月21日 20時