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   目覚め ページ4

それは生まれつき紅い瞳。

右目には幾何学的な模様が映っており、時間とともに形を変え一秒たりとも同じ模様を保っていない。

左目は透き通った美しい紫色をしているが至って普通の瞳である。



何故かAの右目を見た者は獣欲に脳内を支配され、彼だけを強く求めるようになってしまう。

そしてAも、右目を見られた相手のことで頭がいっぱいになってしまうのだ。



この特異体質は娼館の人間に大いに利用され、Aはとうの昔に反抗する意欲をすっかり失っていた。



Aがその右目を隠すことを許されているのは仕事をしていない時だけ。

男達は他の子供と違って薬を打つ手間が省けていいと笑っていた。





「ぐ……まあそうだろうが、やる気がないのは問題だって言ってんだよ!俺に逆らうのか!」





男はあまり頭がよくなかったので、反論できずに口汚い罵声を浴びせた。

Aはこの館の稼ぎ頭なので、太い客でもない者が傷をつけるとたっぷり絞られてしまうのだ。




「はぁ……で、僕は何号室まで行けばいいんですか?」



「聞かなくてもわかるだろうが、いつものとこだとよ」



「わかりました、すぐ向かいます」




彼の仕事部屋はこの館の1番いい部屋。

最上階のスイートルームだ。

無論その部屋で一番人気のAと一晩を過ごすのには莫大な金が要るのだが、A本人に支払われる金はない。

客に渡されたチップも全てお偉いさんの懐へ消え行くのだった。


そんな仕事環境なので勿論Aは好きでやっているわけではない。


しかし幼い頃から数え切れない程の年月をこうして過ごす内に、慣れていってしまったのだ。




……逃げようと試みた頃もあったが、すぐに捕まり痛い目を見た。

あの時の傷は消えているが心はしっかりと恐怖を覚えている。








Aは何を考えることもなく、浴室で身を清めてから店の衣装に袖を通した。

筋骨隆々な男に付き添われ、客の待つ部屋まで階段を昇っていく。

  続いていく悪夢→←1話 目覚め



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設定タグ:男主 , BL , オリジナル   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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あああああ(プロフ) - kohakuさん» コメントありがとうございます!とっっっっっっっても嬉しいです!!!続きは鋭意執筆中ですのでもうしばらくお待ち頂けたら、と思います!あまり時間がかかり過ぎないよう頑張ります! (2021年3月25日 23時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
kohaku(プロフ) - とても素敵な物語に引き込まれました、続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2021年3月21日 21時) (レス) id: 5df933aa41 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - 紅紫((うっせぇわさん» とても沢山のお褒めの言葉、ありがとうございます!これから続編へと入るのでこれからもどうか宜しくお願いします! (2021年3月15日 3時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)
紅紫((うっせぇわ - なんて言ったらいいんでしょう。凄くこのお話の中に吸い込まれていって自分がそこにいるかのような…表現の仕方とか自分がしっかりとそこにいるような。これらをまとめて『GOD作品』と言う。辞書で調べて下さい。出てきます。 (2021年3月10日 21時) (レス) id: 37c73b0d69 (このIDを非表示/違反報告)
あああああ(プロフ) - wyさん» コメントありがとうございます!あまりにも嬉しくて手が震えてます…最近は更新頻度が落ちてきてますが、ちゃんと最後まで続けますのでこれからもよろしくお願いします! (2019年9月8日 14時) (レス) id: 1513927827 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あああああ | 作成日時:2019年4月21日 20時

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