【wrwrd!】ハッピーエンドは許されない【男主】【軍パロ】 (ページ7)

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負傷した男を引きずって家に連れて帰り、応急処置をする。

やり方はよく分からなかったから適当だけど。

少しはマシになるだろう。

暫くすると男が目を覚ました。

大丈夫？と聞くと小さく頷いた。

名前を尋ねると、警戒しながらもポツリとこう言った。

「ショッピ」と。

それを聞き、ああ、やっぱり彼なんだと確信した。

喋り方が全く同じだったから。

なつかしい。

集落でのことが蘇ってくる。

思い出浸っていると、ショッピは僕に名前を訊いてきた。

一瞬言葉が出かけたが、それをしまい込む。

そして代わりに、名前はないと告げた。

僕に名前はない。

無くて当然だ。あるわけがない。

……ただ、一度だけ名前を貰ったことがある。

昔、集落に住んでいる時、僕はソラって呼ばれてた。

広い空のように育ってほしい、って意味だって、あの夫婦が言っていた。

……元は、彼らの子供の名前なんだって。

数年前に事故で死んだ、って言ってた。

僕にそっくり。そうも言っていた。

彼らの悲しそうな顔を見て、少しだけ胸が痛くなった。

元は他の子のであろうと、僕は二人にもらった名前が好きで、とても気に入っていた。

でも、僕はもう彼らの子供じゃない。

だから、ソラって名乗る権利なんてない。

僕に名前はない。そうショッピに言うと、彼は不思議そうな顔をした。

何か言いたそうに口を開いたけど、彼の口からは何も出てこなかった。

ただ、少しだけ哀しそうな顔をしていた。