【wrwrd!】ハッピーエンドは許されない【男主】【軍パロ】 (ページ6)

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森の中でひっそり暮らし始めて数年が経った。

誰かが昔住んでいたのか、たまたま小さな家を見つけたのでそこを住処として暮らしていた。

森はまあまあ薄暗く不気味な所だから、人はほとんど入ってこなかった。

ごく稀に人に会ったけれど、それは仕方ないだろう。

どうせﾀﾋぬのだかた、僕に会ったことは忘れられるのだから。

……後から知ったのだが、あの森は「殺人の森」と呼ばれるようになっていたそうだ。

入っていった人は、何かしらの事故に巻き込まれてﾀﾋぬから。

出来るだけ人と関わらないようにしていたのに、そう呼ばれるのは心外だった。

朝になったら起きて、森の中を歩いて、夜になったら寝る。

ただそれだけの生活。

実に無意味。

……死ぬことができたらどれだけ良いことか。

この無意味な人生に幕を下ろせたらどれだけ良いか。

そんな事を考えていたある日。

珍しく人の気配がした。

それも複数。

久しぶりの来客だから、少し気になって気配の方へ行くと、何人かの男が倒れていた。

腹や胸やらか、大量に血が出ている。

どう見てもﾀﾋんでいる。

どうしてこんな所で、と思ったが、少し歩いた場所にもう一つ気配があるのに気がついた。

そちらへ行くと、ヘルメットを被った男が倒れていた。

先程の奴らより怪我も酷くなく、息もしている。

……最初は助けるつもりはなかった。

屍が一つ増えたくらい、どうってことない。

そう思っていたから。

でも。

倒れている彼が、集落にいた少年にどことなく似ていて。

沢山僕に話しかけてくれた、活発な少年。

彼に似ていたから。

……少し身勝手だけど、集落に悲劇をもたらした、罪滅ぼしをしたくて。

僕は彼を家に連れて帰った。

──これが、僕と「彼ら」の物語の始まり。

そして、あの「悲劇」の幕開け。