#9 理想的状況 ページ10
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アルハイゼンside
いつも通り定時に退勤して家に着くと、キッチンの方から鼻をつくような香辛料と玉ねぎの強い香りが漂ってきた
昨日迎え入れたばかりのルームメイトが、シャフリサブスシチューでも作っているのだろう
どうやらこれから家で食事を取りながら本を読むことは難しそうだ
「おかえりなさい…！」
俺の帰宅に気づいたAがお玉を持ったままキッチンから顔を覗かせていた
「あぁ、ただいま」
そう返すと翡翠色の目をぱちくりとさせて、余程嬉しかったのか満足気に微笑む
それはそうとして
「……おい、やけに焦げ臭いぞ」
「あー！！！」
ハッと思い出したかのようにキッチンへと慌てて戻る彼女の後を追うように俺も続いた
自分の家で火事でも起こされたらたまったもんじゃないからな
鍋に目をやると、幸いまだ軽傷で済んだのか底の部分さえ除けば十分食べられそうではあった
しかし、廃棄を出してしまったことに責任感を感じているのか隣にいる少女はすっかり青ざめて唖然と立ち尽くす
「ご、ごめんなさい…」
もう一方の同居人はこういう時、自分の非を認めずに謝罪の意すら述べないと言うのに
「こんなつもりじゃ…ほんとにごめんなさい」
焦がした部分なんて所詮全体の一割にも満たないのに謝罪の言葉が何度も繰り返される
その異様なまでの怯え具合を見るに、カンキン生活の元でミスを犯した際に強く叱責され罰せられていたのであろう
「貸してみろ」
玉杓子を奪って、焦げ付いた部分だけをすくい取りゴミ箱に捨てる
それからパイシートを取り出し円形に型どったあと、その中に残りのシャフリサブスシチューを流し込んでオーブン釜に放り込んだ
「あとは20.30分待つだけでいい」
空になった鍋を流しに置いて、そう告げる
「わぁ……」
さっきまでのこの世の終わりかのような表情はどこへ吹き飛んだのか
子供の感情というのは実に単純だ
Aは釜の窓から見れる、膨れ上がっていくキッシュに釘付けになっていた
「元々俺は汁物をあまり好まない。今度から君もこれを作ってくれると助かる」
壁に掛かったメモを1つちぎって俺が以前考えたレシピを書き記し、それを手渡した
「はい！覚えます！」
しかしなんというか、実に健気な生き物である
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ぽんかん(プロフ) - はじめまして！カーヴェの夢小説を検索していたら辿り着きました！2人の掛け合いやアルハイゼンも口には出さないけどデレデレな所とかカーヴェに至っては全解釈一致すぎて勝手に握手した気分です！きままに更新していただけたら嬉しいです (2023年4月6日 18時) (
レス) @page19 id: d77cfdd6b9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ももももももつつつさん» わわ、コメントありがとうございます！夢主ちゃんは新しい出会いの元幸せに暮らして貰います(断言) 応援励みになります！頑張ります (2023年2月6日 15時) (レス) @page12 id: 93ec8e272a (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - う、、泣主人公には幸せになってもらいたいですね泣泣泣更新頑張ってください泣泣泣泣 (2023年2月6日 2時) (レス) @page9 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：名無し | 作成日時：2023年2月4日 22時
