#7 優雅な朝 ページ8
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Aside
料理を並び終えたところで、顔を洗ったばかりのアルハイゼンさんが席に着いて本を読んでいた
まるで本の虫みたいだ
それから少しして寝癖で髪の毛が跳ねまくっているカーヴェさんが起きてきた
そして大きな欠伸をして瞼を擦りながら席に着くと、食卓を見て小さな子供のように目を輝かすのだった
彼はお皿に盛り付けられた料理を1品1品じっと目を凝らして見つめる
「これは全部君一人で作ったのかい!?」
「はい…ちょっと作りすぎちゃいました」
「構わない、栄養学の観点から成人男性の一日に必要エネルギー量は約2650〜3050kcalと言われている。君が食べる分も考慮すればこの量は妥当だろう」
アルハイゼンさんは一頻り語った後に頂くとしよう、と律儀に手を合わせて食事を始めた
一方、寝癖が凄いことになっている金髪の彼は未だに料理に手をつけれずにいる
「た、食べないんですか…?」
「勿体無くて食べれないんだ…!こんな美しい作品」
作品だなんて、大袈裟な
ただの朝食なのに……
「あれ、君がスープを飲むなんて珍しいな」
カーヴェさんは自分の皿にシュムリプをよそうアルハイゼンさんの姿に目を丸くしていた
「いつも本に飛び散ることを嫌って汁気の多い物は避けているのに」
まずい、そんなこと知らずにやってしまった、と思わず冷や汗が滲む
早く謝らないと…!
謝罪の言葉を発しかけたとき、家主様の低い声によって遮られた
「今朝は珍しく冷えていたからな。俺も暖を取るためにスープぐらい飲む」
アルハイゼンさんは読みかけのページに栞紐を挟んだ本を仕事用の鞄へと放り込み、そのままシュムリプを口にする
「……よく出来ている。これは君の家庭の味付けか?複数のスパイスが混ぜ合わされていて珍しい風味をしているが中々悪くない」
ほ、褒められた…
「お口に合ったのなら嬉しいです」
シュムリプはスメールに千の家庭があれば千種類のシュムリプがあると言われているほど、味は千差万別の家庭料理
世間一般で食べられている味を知らないため、
少し不安だったけど彼の言葉に安心した
「それに、栄養価のバランスも取れている。
俺は味さえ良ければ見た目には拘らない主義だが、君の料理は目と舌の両方で楽しめる。店で出てくる品となんら遜色が無いと言えるだろう」
ここまで褒められたことが今まで無かったから、私はちょっぴり照れくさいと同時に嬉しさで胸がいっぱいになった
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ぽんかん(プロフ) - はじめまして!カーヴェの夢小説を検索していたら辿り着きました!2人の掛け合いやアルハイゼンも口には出さないけどデレデレな所とかカーヴェに至っては全解釈一致すぎて勝手に握手した気分です!きままに更新していただけたら嬉しいです (2023年4月6日 18時) (レス) @page19 id: d77cfdd6b9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ももももももつつつさん» わわ、コメントありがとうございます!夢主ちゃんは新しい出会いの元幸せに暮らして貰います(断言) 応援励みになります!頑張ります (2023年2月6日 15時) (レス) @page12 id: 93ec8e272a (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - う、、泣主人公には幸せになってもらいたいですね泣泣泣更新頑張ってください泣泣泣泣 (2023年2月6日 2時) (レス) @page9 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2023年2月4日 22時