#6 新しい生活 ページ7
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カーヴェside
「A、ご飯出来たよ」
脱衣所のカーテン越しに一声かけると、短い返事が返ってきた
それからシャッとカーテンが開くと、出てきたのは濡れた艶やかな髪にタオルを被るAの姿
それはまるで、古くからまつわる花神のように美しくて
彼女の成長がますます楽しみになってしまう
そして、自然とぶかぶかのシャツからうすらと見える下着に目がいった
決して未成年をそういう目で見るような変態ではないが、この格好ではとても歩かせられない
「す、すまない…。やはり君には大きすぎたか」
今度僕が休みの日に女性物の服を買いに行こう、とそんな話をしながらシャツのはだけた胸元部分を赤の帯で締める
「ありがとうございます…」
にしても細い体だ
筋肉の塊のようなアルハイゼンどころか、僕が少しでも力入れただけで骨が折れてしまいそうだ
一体、どんなに酷い生活を強いられていたのだろうかと心が痛む
「さあ、ご飯にしよう。君にはちゃんと栄養を取ってもらわないと」
Aの手を取って、夕飯の香りが広がるリビングへと向かった
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Aside
目を覚ますと、ふかふかのベッドに暖かい布団
あの地獄のような生活から開放されたことを実感した
これは夢なんかじゃないんだ
喜ぶのもつかの間、昨晩新しい家主様に言われた言葉を思い出す
″ 家のことは君に任せるとしよう ″
そうだ、私…!
ぼーっとしてる暇じゃない、と慌てて布団を剥いでベッドから飛び出した
まだ朝の4時頃だろうか
リビングのカーテンを開けても外は真っ暗なままだった
そのままキッチンに行って、一通りの食材と調理器具を用意する
アルハイゼンさんとカーヴェさんだっけ
その2人の好物は分からないけどとりあえず一般的な料理なら作ろうと、安直な考えでナイフを手に取った
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カレースープにパリッと揚げた海老を入れたシュムリプ
これはスメールの伝統的な家庭料理で、私も幼い頃から母がよく作ってくれた記憶がある
ローストミートを塗りたくり、野菜と獣肉をスライスしてパンで包んだシャワルマサンド
ほのかに魚の香りがするグリル料理、ランバドフィッシュロール
デザートにはヨーグルトに砂糖を混ぜ乾燥したスメールローズの花弁と砕いたナッツを飾ったローズシュリカンド
淹れたてのコーヒー
金ならあるから材料費のことは気にしなくてもいいと言われたとはいえ、少し作りすぎてしまったかもしれない
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ぽんかん(プロフ) - はじめまして!カーヴェの夢小説を検索していたら辿り着きました!2人の掛け合いやアルハイゼンも口には出さないけどデレデレな所とかカーヴェに至っては全解釈一致すぎて勝手に握手した気分です!きままに更新していただけたら嬉しいです (2023年4月6日 18時) (レス) @page19 id: d77cfdd6b9 (このIDを非表示/違反報告)
名無し(プロフ) - ももももももつつつさん» わわ、コメントありがとうございます!夢主ちゃんは新しい出会いの元幸せに暮らして貰います(断言) 応援励みになります!頑張ります (2023年2月6日 15時) (レス) @page12 id: 93ec8e272a (このIDを非表示/違反報告)
ももももももつつつ - う、、泣主人公には幸せになってもらいたいですね泣泣泣更新頑張ってください泣泣泣泣 (2023年2月6日 2時) (レス) @page9 id: 0eb447a2e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:名無し | 作成日時:2023年2月4日 22時