【文スト】芥川の妹は。。4

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「ンッ…」




ピクリッ





芥川が動いた





中原「芥川！！」





『…』





「中也さん」





芥川は立ち上がった





「！！」




「その傷ッ…」





『お兄さ…ちゃん』




『無事で…良かっ…たッ』





フラッ




中原「！！」




「！！」





芥川の傷を請け負ったAは今の言葉を最後に意識を失った





意識を失ったAの体はそのまま倒れ





広い空に落ちていった




芥川に触れ重力操作を発動させる





芥川と一緒にAを追いかけて飛び降りた





芥川が羅生門を全力で伸ばす






自分の体を重力で重くしAまで急ぐ




……







だが間に合わなかった





バシャン！！





水飛沫をあげAは海に落ちた






中原「A！！！」





「ッ！！！！」





ザァー…ザァーと変わらぬ波の音が響いた





俺は芥川を浮かせたまま海に飛び込んだ





身体を重くして沈んでいくAに追いついた




Aを抱き次は体を軽くする





中原「プハッ…」





くてんと、動かないA





俺の周りの水はAの血で赤く染まっていた





Aを抱えたまま浜まで上がり太宰と合流した




芥川はずっとAのそばにいる





「何をしている…なぜ助けた？」





「なぜ、僕よりも先に死ぬ」





「行くな…僕の弱さ故だ。強くなろう…故に逝くな」





まだほんの少し本当に浅く呼吸はあった





「A…」




「！！」




少しAの口が動いた





『お…に…ちゃ…ん』





「何だA…」





『わた…し…を…と…め……て』






「ッ！！あぁ勿論だ！認める認めている！！だからッ」





「だからッまだ…死ぬな」





ふわっとAの表情が軽くなり






それから完全に呼吸は止まった





俺たちの時間も止まったように思えた




だが、動いた波の音、海鳥の声、俺たちの外套を揺らす風に時の流れを実感させられた





太宰「…Aちゃん。お疲れ様」





太宰「織田作の話し相手になってあげたまえ。仲…良かったでしょ？」





中原「そうだな…Aお前は頑張り過ぎだったんだよ」





中原「ゆっくり休め」





中原「芥川は俺たちが面倒みたいでやる…こいつ飯もろくに食わねぇから早死にしそうだしな」





中原「俺が止めてやる」




「……Aが僕の妹で良かった」




「頼りない兄で済まなかった」





太宰「違うでしょ？？芥川くん」



…





…





「伝えるのが遅すぎたようだ。A、僕はAを認めていた」




「とうの昔にな」

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