検索窓
今日:19 hit、昨日:6 hit、合計:26,335 hit

お兄さん…私を。。 ページ17

嫌な予感がした




音の方を向きたく無い




嫌だ




手が震える




足も





声も…






『…お…兄さ…ん』






ドクドクと溢れ出る血






『嘘…お兄さん』






コツ…コツ…







『嫌…駄目…』






コツコツコツ






『死なないで…』





中「!!」




俺は驚いた





Aの表情に





確かに声は焦っていた






でも顔を見ると何も映っていない無…だ






『死なないで…お兄さん』





Aは芥川の側に膝をついた





『お兄さん』






『お兄さん』






何度も芥川を呼ぶ






酷く声は辛そうだ





なのにいつまで経っても表情は変わらない










『お兄さん』





『…』






浅い呼吸をしてそのまま動かないお兄さんをただ見つめていた





分からない分からないけど






何か息がしづらかった






『…中也さん。私苦しいの?』






『息がしずらいの』





中「大丈夫か?」






『お兄さん…』





Aの声は震えていた





中原「!」





やっと俺は気がついた





Aは泣きたくても泣けねぇ





その感情すらも無くなってしまった




ただ微かな感情の痕跡がAを苦しめる





中原「A…悲しい時はな泣くんだぜ」




『悲しい?』





中原「あぁ、今のAの苦しさはそれだ」


 


中原「Aが何度感情を忘れても俺が思い出させてやる」





『中也…さん。私…今悲しいの?』





中原「あぁ」





『ッ……』





サラリとAの涙が頬につたった





『お兄さん、、』





『お兄さんは…私がいる限り死なない』





『死なせない!!』






『私は悪魔だから、どんなにお兄さんが死にたくても死なせない!』





『お兄さん…この言葉の意味わかる…?』





中原「まさかッ!辞めろA!」





『異能力…』






中原「A!!死ぬぞ!!なぁ!」






ガシッと脇に手を回し捕まえられた






抵抗しても中也さんの力には敵わない






『離して!!中也さん!!離してよ!!』






『お願い!!最後のお願い!!中也さん…離してッ』





中原「芥川は大丈夫だ!!すぐに首領の所まで連れて行く!!」






『それじゃ間に合わない!!色んな人の死に際を見てきたの!』





『私の異能力発動が少し遅れて助からなかった命が沢山あった!!』





『この出血の量じゃ間に合わないの!!』





『だからッ!だから離してよ!!』






『だんだん弱くなってるの!心臓の音が…』






『お願いします。中也さん…離してください…』





酷く弱々しい声だった

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (101 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
361人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

テト(プロフ) - 主さんの他の作品を見ても私の事泣かせるの上手いですよね(泣) (3月17日 18時) (レス) id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
とーうえ れーと - 初コメ失礼します。好きです。何回泣いたか分かりません。応援しています。 (3月14日 17時) (レス) @page21 id: 52d6184189 (このIDを非表示/違反報告)
メイデーア - ガチ泣きしました。大変わがままなのですが生まれ変わった夢主がもう一度芥川さんたちに会う続きを書いては頂けないでしょうか? (3月6日 17時) (レス) @page21 id: 8fc649d94d (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - わぁぁぁぁ!!一人で泣かないで下さい😭私も悲しいです一緒に泣きましょう (9月10日 8時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
るとは(プロフ) - すぐいをぐだざい泣泣泣泣 (9月4日 21時) (レス) @page21 id: a7ed478679 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年4月7日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。