【文スト】芥川の妹は。。4

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『私は、お兄さんとお姉さんの妹で幸せだった』





『本当に恨んでた、憎んでいた時期もあった』




　
『それでも、そんな時期でもお兄さんとお姉さんのことが大好きだった』





『お兄さんとお姉さんには沢山救われた…心も命も』






『家族が欲しいと思った時期があった』





『でも、今になって気がついた。私にとって大切な家族はお兄さんとお姉さんなんだって』






『だって、どれだけ酷いことをされても嫌いになれなかったから』





『私は幸せものだった』





『不幸だねってよく言われた』





『可哀想だとも言われた』





『確かに客観的に見ればそうだった。でも私は一度も不幸だと思ったこともない』





『私を守ってくれた人が沢山いたから』






『私は一人じゃなかったから』






『本当は、怖かった人を殺すことが…それに慣れる自分が』






『最終的には何も感じなくなった。自己防衛だと思い込んで逃げた』






『本当はもっとお兄さんと話したかった。勿論、お姉さんとも』






『誕生日を祝ったりもしてみたかった』


　



『本当は、自分の意思のままに感情を表したかった』






『断りたい命令だって沢山あった』






『本当は、私のままでいたかった』





『感情も捨てたくない』






『人形になりたくない』





『もっともっと笑って泣いて悲しみたい』





『目覚めたくないッ』





ガクッと膝から崩れ落ちて





暗闇の中でキラリと光るのは涙の粒





私のおそらく最後になるであろう涙





暗闇が明けてきた





私はもう直ぐに目覚める






さよなら私

　



まだ少し人間だった私

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