【文スト】芥川の妹は。。 3

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ピッ…



ピッ…



『…お兄さん』



ピッ…



『寝ている場合じゃ無いの。早くお兄さんに認めて…』




『貰えないか…』




ザァーザァー




波の音




海鳥の声




『私は、お兄さんとお姉さんの母親を殺した』



ザァーザァー



憎んでた。



私を地獄に導いたお母さんを



でも、もう一度やり直せるなら何てこと思う




『何度やり直しても変わらないのに』



それでも、赤く染まる海に行けば、またお母さんに会える気がした




気がつけば点滴を抜き取り、呼吸器も外していた




ペタ…ペタ…ペタ




と自然と向かう先は海





ザァー…ザァー




パシャ…パシャ




ザァー…ザァー




気がつけば太腿くらいまで海に浸かっていた




『…お母さん。貴方はどうして私を産んだの？』




？？「それは、お腹の中にいる君が愛おしいかったからさ」




『お母さん。貴方はどうして私を育てたの？』




？？「我が子の成長を見れるのはとても嬉しいからだよ」




『お母さん。どうして私を閉じ込めたの？』




『どうして、私は捨てられたの？』




？？「それが、君を守る方法だったのさ」




『守る？私は散々傷ついた。』




？？「そうだね」



『お母さん…どうして最後、、、、、』



















『泣いていたの？』





？？「それはね、Aちゃん自身がその答えを見つけなきゃいけないよ」




『ッ！太宰…さん』



太宰「Aちゃん、今どんな気持ち？」



『…ずっと晴れない空』



『晴れもしない。雨も降らない。ただ嵐の前の静かさみたいな、雨の前のどんよりした空気みたいな…そんな気持ち』




太宰「そうかい。それなら私が雨を降らせてあげる」




『晴れでは無くて、雨ですか』




太宰「あぁ、そうさ。今のAちゃんには雨がぴったりだよ」




『どういう事か、分かりません』




太宰「君はね、今悲しいのだよ」




『そんな筈がない』




太宰「いや、Aちゃんの心は今にも降り出しそうな雫を止めているだけさ」




『ッ！！』




太宰「どんなに恨んでいても、憎んでいても、母親が亡くなったら皆泣くものだよ」





太宰「現に、君は今、あの時Aちゃんの母親が泣いていた理由が分かったようだね、」





太宰「海が落ち着くだろう？今はここで休みなよ」





太宰「降った雨はね、また海に帰る。海に帰った雨は、また降る時がくる。」





太宰「だから大丈夫。雨は枯れないよ」



ポタッ…ポタポタ



『太宰さん…お母さんは、初めから私を嫌ってなんかいなかった』

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