【文スト】芥川さん、私もう…

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…






…








『んっ…』







…ぱち






『眩し…』







目を覚ます







『…外套』






部屋を見渡すと濡れた外套が干してあった








『帰ってきたんだ』







ペタペタと龍之介さんを探しに部屋を回る







寝室にはいない









仕事部屋にも






ガラッと洗面所の扉を開けると






『あっ…』







「起きたか」







「ふっ…何故それほど顔を染める」








「昔は一緒に入っただろう？」







『っ昔は…』







『えっと…今は…』









なんだか耐えられなくなってそのままパタンと扉を閉めて寝室に向かいベッドに丸まった






正直、男性に耐性は無いし







小さい頃の行為とは別物だ








特別、龍之介さんが恋愛対象と言うわけではない






ガチャッと扉が開き廊下からの光がもれる






「揶揄って済まなかった」







「リビングに来い」







と呼び出しがあったので丸まっていた布団から出てペタペタリビングに向かう







ソファーに座れ








そう目で訴える龍之介さんを見てソファーに大人しく座ることにした







どこから持ってきたか分からない緊急箱を開け包帯を取り出す







「かなり血が滲んでいるな」







と言いながらも私の包帯を外していく






「沁みるぞ」






と消毒を出し額の傷口につける







『ッい』






思わず龍之介さんの服をギュッと掴む







シュルシュルと包帯を巻き付けていく






額が終わると、次は身体だな






と言って足、腕、の包帯を変えた






残りは恥ずかしいので与謝野さんに頼むと言い断った




「…痛むか？」






『痛みません』






「痛むだろう」






「…今のAは昔よりも痛々しいかもしれんな」






…






…






「済まない、ご飯にしよう」






とキッチンに向かってしまった龍之介さん






今の私はあなたの目にどれだけ痛々しく映るのか






太宰さんも乱歩さんもそのほかの社員さんも







貴方達の目に私はどう映ってるの？

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