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仕事が終わった




一つ





手のひらに鍵を握りしめて向かう






『はっ…はっはっ』





走る必要なんてなかった





急ぎでもなかった





でも早く会いたくて会いたくて





私は走った





紙に書いてある住所に辿り着き部屋番号をみた






エレベーターを待つ時間ももったいなくて階段を走った






カンカンカンカンと硬く冷たい音が響く





ようやく目的階に着いた





番号だって見つけた






チャイムを押す






その一動作が酷く緊張する





『……ふぅ』

















ピーンポーン






私のワクワクしているこの気持ちに合わせるように明るい音が響いた






「…よく来た」





その後





対象的な落ち着いた声






安心する声






ガチャリとドアが開いた




彼が見えた






思わずまだ扉を開けている龍之介さんに飛びついた






「…」






『今日は…一緒に寝てもいいですか』






ふと漏れた本心






「ふっ…子供だな」






そう頭を撫でて私をリビングに案内した






秒針の音のみが響く静かな部屋に






龍之介さんの静かな声





「…探偵社は上手くやっていけそうか?」






『…』




















『ポートマフィアがいい』






「やめておけ」







『龍之介さんと一緒にいられるならッ』






『私は…』







それでいいのに…

























龍之介さんといられるなら






寂しさを紛らわせるなら





何にだってなれるのに







何も必要ないなのに






『ポートマフィアに入りたい』






「駄目だ」







『ポートマフィアに…』







グッとスカートを握りしめた






しわがよった






「僕がこの家の鍵をAに渡した意味を理解していないのだな」






『…』







「僕が生きる限り貴様はどこに属することなくとも僕に会うことができる」







「それは、僕が常時、Aを招き入れているからだ」







『いつでも来ていいの?』







「あぁ」






『迷惑じゃ…ない?』






「あぁ」






ゆるりと広げられる腕






その胸に飛び込んだ






ギュッと抱きしめた





頭を撫でてくれた






「…明日も仕事なのだろう?早く寝よう」





寝室に向かう龍之介さんに着いて行く






布団を上げてここに来いと叩く






モゾモゾと布団に潜り込む







『…今日は…眠れそう』






そしてすぐ、スゥスゥも寝息が聞こえた






こい隈を目の下に見せるAの頭をなでる






「…いつでも助けてやる」、






「僕はAの味方だ。覚えておけ」







そう告げて彼も眠りについた

第4章 仕事→←・



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夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 猫春#ねこはるさん» 読んでもらえてとっても嬉しいです!舞い上がってますw最初とその後の切り替え凄いですよね、ややこしい事になってしまいすみません…と思いながら優しい太宰さんも怖めな太宰さんも好きなので書いてしまいました (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
夢幻泡影(むーにー)(プロフ) - 来世は推しと生きたいさん» ありがとうございます!次回作は芥川さんから一度離れてみようかと思い別の人物に手を出してしまいました。毎作品、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます! (12月24日 21時) (レス) id: fd232344cc (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 取り消します。死ぬほど優しかったです(((今読んでる最中の人 (12月24日 17時) (レス) @page11 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
猫春#ねこはる - 太宰さんが怖すぎて好きです (12月24日 17時) (レス) @page7 id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
来世は推しと生きたい - 完結おめでとうございます!!何度も主様の作品に泣かされました…本当に感動物です。私は芥川推しなのですが,主様の書く原作を保ちながら優しさを少しずつ見せる感じがすごく好きです。あと夢主ちゃんの性格も毎回好きです!次回作も読ませて頂きます! (12月24日 17時) (レス) @page44 id: 3324b2c332 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夢幻泡影(むーにー) | 作成日時:2023年10月16日 0時

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