元幻想郷少女は異能力者弐篇 (ページ30)

今日:4 hit、昨日:1 hit、合計:17,624 hit

【６章１２話】人を殺して死ねよとてページ30

「来ないで」

敦の行動で鏡花の無表情の顔が少し変わる

その言葉と共にチャと仕込み刀に手をかける夜叉白雪

「ごめん。もう無理だ」

忠告に敦は謝りダッと鏡花の方向へ走り出す

その敦の動きに夜叉白雪は反応しザッと広めな斬撃を仕掛けた

数分間おこなった夜叉白雪と殺り合い攻撃の方向性(パターン)が判ったのか

敦は夜叉白雪の斬撃をギリギリ目元の近くの皮一枚で避ける

しかし夜叉も力は劣っておらず二度目の攻撃を繰り出そうとした

(速すぎる！矢っ張り無理か
　せめて、今。───

あの力があれば────)

「……！」

自身に迫ってくる夜叉の持つ刃を見て敦は諦め欠ける

仕込み刀が敦の額に直撃する次の瞬間＿＿＿

ガキィインッと何かがぶつかりあう音が車両に響き渡った

＊＊＊

＿＿＿＿大きな爆発が起こった後の先頭車両

「さーて、中まで火が通ったかなぁー？」

爆発音が静まり返って数秒後。

爆弾を確実に受けた与謝野の様子を見に梶井は、

ケイキを待つ幼児のように車両の扉を開け中に入ってくる

「おっ」

お目当ての者があった(与謝野晶子がいた)のか声を漏らす梶井

その目の前にいたのは血塗れになり椅子にもたれ掛かっている与謝野だった

窓硝子が割れている席に座っており上半身の殆どはガタンガタンと

揺れている電車の外に出ていて身体に力も入っていない様子だ。

「♪」

梶井は楽しそうに向かい外に出ている与謝野の顔を覗き込む

と、与謝野の目はカッ鋭く開き勢い良く起き上がった

先程の様子は何処へ行ったのか爆発を受けて何故、死んでいないのか

様々な疑問を浮かべながら殴りの衝撃で向の席に飛ばされた梶井

「んー、イマイチだねェ。もっと飛ぶかと」

「はがっ……な、何故」

【６章１３話】人を殺して死ねよとて→←【６章１１話】人を殺して死ねよとて