医者と幼女の超人社会ライフ〜漸〜【ヒロアカ×文スト】 (ページ11)

今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:21,737 hit

ページページ11

今の森鷗外は、マフィアの首領ではない。

だが＿＿＿家族を拉致られたのなら情けは無用だ。

徹底的に潰す

・

ー第三者視点ー

「ボス、平気なんですか？」

「何がだ？」

銃を武装している側近の青年が、部屋の真ん中に座っている40代と思われる、男に話しかける。

〝ボス〟と呼ばれた男は煙草の煙を、目の間にいる与謝野に向けて、吹きかける。

彼女は抵抗も虚しく、手足を椅子に縛り付けられていた。

「この娘、裏社会で有名な『死の天使』ですよね？他の敵組織……それに留まらず、公安も探しているという噂がある。
しかも、連れ去る事を目撃されてますし…もう誰かが動き出しているかも」

「は！そう簡単に捕まる訳ないだろ！！」

ハッハッハッ！と、腹を抱えて笑った。

男は説明を求められていないのに、自分から説明をし始めた。

隠れ家はかなり見つけにくい場所にあるらしく、たとえ此処を見つけても凶悪な敵が見張っている……らしい。

「それに……」

「？」

「こんな、幼女を逃す訳ないだろ！必ず俺好みにする…」

「(き、気持ち悪っ！)」

与謝野は嫌悪感を抱いた。

当たり前だ。唯でさえ自分の個性目当てで攫われたのに、攫った組織のボスがロリコンだったのだから。

「ハハハハハハハハハハ！」

道端の吐瀉物を見るように、自分を睨んでいる与謝野に気づいていないのだろうか。

自分達は絶対に倒されない自信を持って、未だに笑い続ける男。

しかし＿＿＿

「(早く逃げないと！こんなクズに、妾の個性を利用させてたまるか！)」

その余裕、世間では死亡フラグだ＿＿＿＿

────ドゴオッ！

「「「！？」」」

硝子が爆発したような、音が室内に響き渡る。

　廊下から聞こえる銃声。

　何かが潰されたような音。

　笑い声の後に聞こえる、男達の悲鳴。

「ボ、ボス！！」

この部屋に一人の青年が入ってくる。

彼は全身傷だらけで、所々から血が滴っていた。

「し、侵入者です！
男と幼女が、カチコミにっ────」

次の瞬間、その青年は部屋の端まで吹き飛んでいた。

そして部屋に入ってくる、2つの人影。

「はぁい。彼が言った通り、カチコミに来ました〜」

その人影は勿論、エリスと鷗外だった。

次ページ→←前ページ