第十九話 「拷問」 ページ21
その言葉を聞き、明らかに厭そうに顔を歪め乍らも良い言葉は無いものかと模索したが、矢張り出てくる言葉は
『拷問法とか、知りたくないですよ……』
何ていう言葉に似たものばかりであった。
しょうがないのでそう云ってみると、太宰さんは不思議そうな顔をして此方を見つめる。
「……そうかい。君は拷問が得意そうだと思ったのだがね。嗚呼、そうだ。前の任務で捕らえた敵に情報を吐かせないとだったんだ!……だけど、私はこの後仕事があるのだが…あ、そうだA。やってくれるね?」
そう、少し態とらしいような明るい調子でそう云う。
『……分かりましたよ』
私がもう吹っ切れてそう言うと、”ありがとうね”という感謝の言葉を述べてから、私の肩に手を置いて、その敵が居る場所を伝えてきた。
「じゃあ、宜しく頼んだよ」
『……はぁ』
そうして、私は目的の場所へと向かった。
『……あ、君か』
そう云うと其奴は怯えた顔をして、
「た、助け……」と弱々しく呟く。
『情報吐いてくれるなら、助けるけど』
わたしがそう云ったが、敵はそれだけは出来ないというように、首を大きく横に振る。
『……失礼します』
そうして、私の拷問ショーが始まった。
あまりにも見せられるようなものでは無い為省略するが、一応情報を吐かせる事には成功した。
そして、
「お見事だね」
そんな甘ったれた、だけど冷たいような気持ち悪い其の声が聞こえ、返り血まみれで不快感を感じている私を更に不快にさせた。
『……早く遺体片付けてくれません?』
「実は、ずっと聞いていたのだよ」
__話聞いてないな。この人。
そんな失礼な事を幾つも思い浮かべつつも、少しは太宰さんの話に耳を傾ける事にした。
『……聞いていたとは?』
「其の外套の飾り紐に付いている飾りの裏を見てご覧」
そう云われ、見てみれば其処には或小さな機械が取り付けられていた。
『盗聴器……』
「情報も素早く聞き出せていたし、初めてにしては良い方だったんじゃない?」
『本当に気持ち悪い』
そんな太宰さんに不快感を感じていると、後ろから何かが崩れた音がとんでもない大きさで私達の、居る拷問室に響き渡った。
「あ……」
「……おい、太宰何してんだよ」
その一言を怒った様子で云っている彼。中原さんは、段々と此方に近づいてくる。
「何で此奴に死体何か見せてやッてンだ」
そう云った中原さんは、太宰さんの胸倉を掴んでいた。
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A(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )さん» こちらこそ、素敵なイベントに参加させて頂きありがとうございます!!りりり様に言われては、更新頑張るしか無いですね……頑張ります! (2023年4月10日 15時) (レス) id: f26a97b124 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )(プロフ) - Aさん、イベントご参加ありがとうございました〜!! 双黒以外にも姐さんや首領との絡みが見れて文スト民として嬉しい限りでした…!これからの中也と太宰との任務も気になる…!! これからも更新頑張ってください!! (2023年4月9日 23時) (レス) @page15 id: d3e59adc40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2023年3月29日 6時