第十五話「作戦」 ページ17
『……似ているとは、誰にですか?』
「森さんかな」
『はぁ……何か嫌ですね、それ』
「何故?」
『あのロリヰタコンプレックスと一緒にされたくないです』
私が苦い物を噛んだ時のような顔をしてそう云うと、太宰さんは少し鼻で笑ってからこう云った。
「……其れは同感だ。というか、暇だから何か出して」
何か出してと云われ、私はファミレスでの出来事を思い出した。
『はい、、どうぞ』
そう、私が手渡したのは丸くなった中原さんの帽子である。
「……っは……ははっ!何これ!中也莫迦じゃないの?これ自分でやったでしょ、ふふっ!」
そうお腹を抱えながらも声をなるべく殺 して笑う太宰さんの姿を見ながら中原さんは今迄に無い程に怒った顔をして居た。
「手前な……」
『ッ……!!待って下さい。今は其の時ではありません』
敵の様子の異変に気付いた私は、中原さんの話を遮り、反射的にそう云った。
「そうか……。作戦変更だ。―――――で行く、良いね?」
『勿論』「判った」
2人がそう云った時には太宰さんの姿は2人の前から消えていた。
そうして、私は時計を見る。
”19時……昼御飯が15時頃だった事を踏まえ、
電話に出てから現場に着いたのが16時頃。
___約3時間も此処に居たのか。
そんな事を考え、私は後ろへと足を下げ……ることも無く、少しずつだが前へと足を踏み出す。
そう、この作戦の軸は私であった。
まず、私以外の2人が多くいる構成員達と戦う。
その間に私が奥へ行って、異能力の射程範囲内に2人が侵入してしまう危険性の無い位置まで敵の幹部、首領などの重要人物を誘導。
そうして、異能力を発動させる……といった具合であった。
だが、私と対面する敵の数によっては、
太宰さんのカバーが遅れたら私が死 に至る可能性がある。
太宰さんも大変なものだ。
私は常々そう思う。
そんな私は、物陰に隠れ乍ら道を進んでいく。
実際、上手く使用すれば私の気配だけを異能力で消すことが出来るのだが、使用許容量が未だあまり把握出来ていない為に今回は使用を控え、最終段階での使用のみとする。という約束事を付けた為にも、
其れは不可能だ。
「ポートマフィアの奴等が侵入して来たらしい!」
「隅々迄探せっ!」
拳銃を構えた者達が騒ぎ始める。
__「はーい。面倒臭いから中也全部やって」
「云われなくても判ってるわッ!!」
そうして、劈くような銃声が鼓膜を揺らした
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A(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )さん» こちらこそ、素敵なイベントに参加させて頂きありがとうございます!!りりり様に言われては、更新頑張るしか無いですね……頑張ります! (2023年4月10日 15時) (レス) id: f26a97b124 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )(プロフ) - Aさん、イベントご参加ありがとうございました〜!! 双黒以外にも姐さんや首領との絡みが見れて文スト民として嬉しい限りでした…!これからの中也と太宰との任務も気になる…!! これからも更新頑張ってください!! (2023年4月9日 23時) (レス) @page15 id: d3e59adc40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2023年3月29日 6時