第一話「素敵帽子と新人さん」 ページ2
Aside
青い空には雲が浮かんでいて、それがゆったりと動いているのに私は目を奪われていた。
”ヒュゥー”
冷たい風が頬に突き刺さった。
『春……まだかなぁ…「あァ゛〜!重力操作!」』
私が其の声に驚いた時には、
”ぽすっ”
その頭の上には素敵な帽子。
「ふぇッ……あの、それ、俺の帽子……」
真顔で虚空を見つめる貴方。
『…………』
「ッ……あの青鯖に何処か似てる…。ーッ!兎に角!返せッ!それは俺のだッ!」
ヒョイッと勢い良く、帽子を取った彼。
『それ、貴方が勝手に被せたんじゃないですか。……にしても身長…………私とほぼ変わらないって……』
「身長は余計だッ!…あァと……帽子は、許してくれ。俺も仕事があンだ」
そう呟く彼を見て、私はこの道を1人歩いてゐる理由を思い出した。
「…!その言葉で思い出しました。なんか、スカウト?されたのでそこに行かなければ」
「…………その行くとこってのは何処にあるンだ。……ッここでこンな時間使わせちまったのも悪いし、送るよ。女一人、ここの辺り彷徨くのも危ねェしな」
そう言う彼は、帽子で口元を隠しながらも、此方の目を確りと見ているようだった。
『……ありがとう御座います。えっと……確か森さんって方が、』
「……はぁ?森さん……?…………すまん、続けてくれ」
『ポートマフィアに来ないかと……それで……』
「はァ゛?!お前が?!マフィアに?!」
『何か失礼ですね。矢っ張り送って貰わなくて良いです』
そう言って立ち去ろうとして振り返った所で、彼が話し始める。
「ッ……いや、そのな。手前が向かう所と、俺が今向かってる所は同じ場所なンだよ……分かるか?」
一瞬の思考停止時間を終えて、一言。
『…………あらま』
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A(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )さん» こちらこそ、素敵なイベントに参加させて頂きありがとうございます!!りりり様に言われては、更新頑張るしか無いですね……頑張ります! (2023年4月10日 15時) (レス) id: f26a97b124 (このIDを非表示/違反報告)
りりり ( ´・ω・)(・ω・` )(プロフ) - Aさん、イベントご参加ありがとうございました〜!! 双黒以外にも姐さんや首領との絡みが見れて文スト民として嬉しい限りでした…!これからの中也と太宰との任務も気になる…!! これからも更新頑張ってください!! (2023年4月9日 23時) (レス) @page15 id: d3e59adc40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:A | 作成日時:2023年3月29日 6時