9 消せない ページ9
家に帰り僕はソファから動けずにいた。
突然帰ってしまったこと。
身バレしたこと。
申し訳なさや少しの焦りがありなにもできなかった。
せめて配信を見ていたアカウントは消さなきゃいけない。
そう思いスマホを見つめるがそのアカウントには僕の癒しがつまっていて思い出だってある。
消せない。
僕はログアウトをした。
どうしても消せなかった。
ログアウトをしても誰かに拡散される可能性があるから名前とIDだけは変えた。
テヒョン「なにしてんだろ。」
少しずつ冷静になる。
痛感した。
僕はアイドルでありプライベートでも気をつけなきゃいけないと。
例え自分の好きな人に会える可能性があったとしても。
テヒョン「望んじゃいけない。」
自分がアイドルでいる限りは。
僕は無意識のうちに電話をかけていた。
ジミン『もしもし?』
テヒョン「あ、出た。」
ジミン『通知来たんだからでるでしょ。オフ会は?』
テヒョン「ちょっと色々あって。」
ジミン『……今日泊まり行こうか?』
テヒョン「さすが。お願いします。」
電話を切ってからようやくソファから立ち上がる。
ジミンが来るなら片付けないとととりあえず周りのものを片付け始める。
今日はきっと眠れない。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年8月1日 22時