18 変わっていく彼女 ページ18
前のように毎日とはいかないが度々彼女の配信は見に行っていた。
その中で僕は彼女に対して違和感を感じていた。
だけどその違和感がなにかと問われたら答えられない。
でもそんな違和感も確信に変わった日がやってきた。
『…えっと、最近シチュエーションボイスみたいなのやってきたけど慣れてきたから今日からちょーっと過激な内容でやっていくね!…なんかリクエストある?』
そう、おかしすぎる。
今までの彼女はいつだって視聴者に寄り添った配信だったはず。
今の配信は違う。
そう思ったのは僕だけじゃないようで。
コメント欄には次々と疑問のコメントが送られていた。
中にはもう見るのをやめるというコメントすらあった。
『おかしいかな?ほら、新しい配信スタイルも開拓しようかなー…なんて……。』
今にも泣き出しそうな声を僕は聞き逃さなかった。
僕は配信から抜けて彼女にDMを送った。
これはきっと事務所からの命令だろう。
こんなことをやらせるような事務所にいるのは彼女にとってマイナスでしかない。
しかし彼女からのヘルプがないうちに動くこともできない。
だからこそこのDMに助けを求めてくれたら。
僕は強く願いながらDMの送信ボタンを押した。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年8月1日 22時