17 違いすぎる2人 ページ17
彼女との距離はすっかり配信者と視聴者に戻った。
個人的なやり取りも会うこともない。
なんとなくそんな形に寂しさは感じたけどこれが元の形なのは間違いなかった。
彼女との出会いは僕の心を動かすことばかりで仕事に対してちょっとした嫌気がさしていたが少しだけ前を向けている気がした。
どんどん忙しくなる日々の中で配信に行く暇すらなくSNSを通して彼女がスカウトされていた事務所に入ったことを知った。
テヒョン「……こんな名前の事務所あったっけ。」
彼女の所属事務所名は見たことも聞いたこともない事務所だった。
この世の中これから有名になる事務所なんていくらでもある。
そう言われればそうだけど。
何となく嫌な予感がしていた。
久しぶりに配信を覗いていると変わらず元気な彼女の声が聞こえる。
『これから事務所とどんなお仕事できるのか楽しみなんだー!がんばるね!』
ワクワクしている彼女の声を聞くと少し安心する。
彼女は僕とは違う。
なんでも前向きに捉える子だ。
どんなに忙しい日々が来てもそれすらも楽しさに変えるだろう。
僕もいつかそんな風になれたらななんて思いながら僕は彼女の配信を聞いていた。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年8月1日 22時