2 初めてのコメント ページ2
午後9時。
僕は仕事を終え飲み物を片手にスマホの通知を待った。
そろそろ彼女の配信が始まる。
そしてついに通知が鳴った。
僕は急いで配信を開く。
『こんばんはー!いちごみるくだよ!』
彼女明るい声が画面越しに聞こえてくる。
僕はこの声が好きだ。
『今日はどんな1日だったかな?教えて!』
配信を初めてすぐなのに視聴者数はすでに100人を超えていた。
彼女の配信スタイルは視聴者に向けて質問をしできる限りのコメントを拾っていくというスタイル。
もちろんこの人数に対してのコメントなんて読まれることの方が少ない。
僕も毎日コメントしているが読まれたことはなかった。
今日も一応コメントを残していく。
『えーと、今日は仕事で体を動かすことが多くて疲れたかぁ。Vさんは体動かすお仕事してるのかな?体動かすって疲れちゃうよね。今日もお疲れ様でした!』
彼女の言葉にフリーズする。
コメントの内容は僕が打ったもの。
コメントが読まれたことよりも…
テヒョン「名前、呼ばれた。」
もちろん本名ではないけど彼女に一瞬でも名前を呼ばれたことがうれしくてたまらなかった。
自然と笑顔になる頬をおさえて僕は彼女の配信を聞き続けた。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年8月1日 22時