6 意外な一面 ページ6
それから実行委員を通して委員長と一緒にいる時間が長くなった。
だけど距離が縮まることもなければ遠くなることもない関係だった。
「次のホームルームの時間でみんなの意見まとめましょうか。」
ジン「そうだね。一応先生にも言っておこう。」
「はい。じゃあ、そろそろ終わりにしましょう。」
そう言ってお互い帰りの準備をしていたとき僕のカバンからなにかが落ちた。
彼女のほうに転がったために彼女がすぐ拾ってくれた。
「…これ…。」
彼女が手に持っていたのは女の子からもらったキーホルダーだった。
なんかのキャラクターらしいが全く知らない僕からしたらものすごく反応に困るもの。
ジン「あ、ごめん。ありがと。」
「あ、いいえ。」
委員長は返そうとしていたが明らかに様子がおかしかった。
ジン「もしかして委員長これ好きなの?」
「え?」
ジン「なんか、すごい名残惜しそうな顔してる。」
「好きですね。」
恥ずかしそうに言う彼女に色々と驚きを隠せなかった。
ジン「これいる?もらったけど僕よくわからなくて困ってたんだよね。」
「いいんですか!?」
目をキラキラ輝かせながらずいっと近づいてきた。
その反応に意外性を感じる。
ジン「う、うん。使ってもらった方がいいし。」
僕は受け取らずそのまま彼女に渡した。
手のひらにあるキーホルダーをうれしそうに見ていた。
まるで子供のように目をキラキラさせたまま。
そんな彼女を少しかわいいなって思う自分がいた。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年6月14日 19時