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22 映画のようなキス ページ22
「映画館並みの大きなテレビで映画観れるなんて最高じゃない？」
ジン「いやいや、大袈裟。」
2人で並んで座り雰囲気を出すために少し部屋を暗くする。
始まるとすぐ僕も彼女も映画に見入った。
この話自体は僕は好きだった。
ただ途中に流れるキスシーンがなんとも気まずくて苦手意識を持ったのだ。
女の子からしたら憧れのシーンなのかもしれないけど。
2人とも黙ってただただ見ていた。
あの頃を僕はかってに思い出していた。
そして例のキスシーンが流れた。
やっぱり気まずさがあり僕はなんとなくAのほうを見た。
そのとき彼女と目が合った。
お互いすぐに目線を外し更に気まずくなる。
でもまた彼女のほうに視線を戻す。
ほぼ同じタイミングで彼女もこちらを見た。
雰囲気のせいか。それとも気持ちのせいか。
僕たちは映画のようなキスをしていた。
一瞬唇を合わせてすぐにまた唇が重なる。
映画の中の2人と同じような長いキスだった。
このままじゃだめだなんて思っても物足りなさを感じて離れることができなかった。
なにより彼女も僕を突き放すどころか受け入れているような気がした。
押し倒しそうになったときインターホンが鳴った。
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作者名：ゆちこ | 作成日時：2023年6月14日 19時
