21 小説家の彼女 ページ21
ドアを開けると少し息を切らせたAがいた。
ジン「入っていいよ。」
「ありがとう。お邪魔します。」
ドキドキしながら僕は彼女を中に入れる。
リビングに入ると早速彼女はカバンから本を取りだした。
「はい!読者1号!」
ジン「ありがとう。そしておめでとう。ありがたく読ませて頂きます。」
照れくさそうに笑う彼女。
近くで見ていたからかよくここまでがんばったなななんて父親のような気持ちでいた。
ジン「そこに座っていいよ。これで立派な小説家じゃん。」
彼女に飲み物を渡しながらさらっと隣に座る。
「こんな1冊じゃまだまだだよ。ねね!ジンくんの家ってたくさん映画あるんだね!」
彼女は目の前にある棚を指さしながら嬉しそうに言った。
僕は高校生の頃彼女の影響で映画を見るのが好きだった。
別れてからも趣味の1つとして映画のDVDを集めていた。
ジン「見てみる?」
彼女はキラキラした目で棚に近づく。
色々見ながら彼女は一つだけ手に取った。
「ジンくん恋愛映画なんて見るんだ。しかもこれ私と見たやつじゃない?苦手って言ってた気がするけど」
彼女は不思議そうにDVDを眺めていた。
ジン「うん。苦手だったけどなんとなく懐かしくて買っちゃったんだ。1回も見てないけど。なんなら今一緒に見る?」
ほんの軽い冗談のつもりだったけど彼女はノリノリのようで本当に2人で見ることになった。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年6月14日 19時