14 利害の一致 ページ14
次の日、僕はいつも通り楽屋へ向かった。
いや、いつも通りでは無い。
隣にはAがいた。
「ねぇ、ジンくん。ほんとにいいの？」
ジン「いいのいいの！許可は貰ったし！」
申し訳なさそうな彼女を見て見ぬふりをして僕は楽屋の前に立つ。
深呼吸をして僕はドアを開けた。
グク「ジンヒョン、おはよ…ってえ？」
ナム「誰ですか？その子。」
ジン「僕の友達！今日からたまーに僕たちと一緒に行動するから！」
当たり前だがこんな説明で納得するわけがない。
しかし最初から深刻な雰囲気で話すと彼女がかわいそうだと考えた結果この説明になった。
ホビ「いや、わかんないから」
変わらずホビは元気に笑いとばす。
ジン「この子、小説家なんだけどなかなかうまくいかなくて編集者側にもリアルさがないって言われるんだって。そこで！超身近な僕たちの姿を見て取材して小説を書いてもらおってこと！」
テヒョン「僕たちモデル！？」
グク「楽しそう！」
ユンギ「…リスクありすぎじゃない？」
ナム「僕もそう思います。僕達は状況を知ってても周りの人達はファンに見られたら大変ですよ？」
賛否両論。こうなることももちろん予想済みだった。
僕には全員を納得させる方法ももちろんある。
ジン「言いたいことはわかる。でも最近の僕たちの課題は客観視できてないことだって話になってたでしょ？この子はこれから僕たちを観察することになるなら僕たちの欠点を第三者のこの子に指摘してもらうのもいいと思わない？」
そう、最近の僕達は自分のことばかりで第三者の目線でパフォーマンスすることができていなかった。
彼女のリアルさを求めること。僕たちを第三者の視点でみてもらうこと。
利害の一致というわけだ。
ナム「…まぁ、確かに。」
ホビ「いいじゃん！お互いのためになるし！」
こうして僕はみんなの了承をもらうことができた。
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作者名：ゆちこ | 作成日時：2023年6月14日 19時
