13 相談 ページ13
ジン「なに?」
突然の重たい空気に少し戸惑いながら彼女からの言葉を待った。
「憧れの小説家にはなったもののなかなか編集者にいい反応もらえなくて。私の書く話にはリアルさが欠けてるって。」
僕は黙って彼女の話を聞いた。
今にも泣きそうな声で彼女は淡々と話し続けた。
「でも自分でも思ってたんだ。自分の経験したことのないことを書く時誰かに取材したりよく調べたりしたほうがいいのに自分の想像だけで書いちゃう。だからリアルさがないんだなって。どうやって誰に取材したらいいのかもわかんなくて。」
今まで考えたこともなかったけど確かに自分の経験したことないことを文にするのは難しい。
リアルさを求めるならある程度の知識が必要なのかもしれない。
「こんなこと言われても困るよね、ごめん。」
彼女は我に返ったのか慌てて謝りだした。
ジン「謝る必要なんてないよ。あとそれに関していい案があるんだけど。」
彼女はその言葉が予想外だったのかきょとんとしていた。
ただしこの案はなにかと大胆な部分が多い。
でも彼女の為にもなるし僕のためにもなる。
あとは彼女の判断次第だった。
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作者名:ゆちこ | 作成日時:2023年6月14日 19時