恋愛キャンディ【短編集】 (ページ1)

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『真冬の帰り道』一之瀬一哉ページ1

Aside

A｢うわ…寒っ…｣

私はそう呟き手をギューッと握った。
…なんでこんな日に限って手袋やマフラーを家に忘れてきたんだろ…
と朝の自分を恨む。

理由?…単純に寝坊して焦ってたから←
…馬鹿ですよ。はい。

部活帰りだからって…寒いもんは寒い。
たとえポッケの中に手を突っ込んでいても。

A｢あ～…寒すぎる…｣

と私が呟いたら＿＿

?｢その格好だと寒いよ…(苦笑)｣

と後ろから頭をポンポンされた。
こんな事するのはアイツしかいない…。

A｢…一之瀬…か｣
一之瀬｢当たりっ!…本当に寒そう…(苦笑)｣

そう言う彼を見るとマフラーと手袋を付けていてすっごくあったかそうだった。

A｢うぅ…良いな…｣
一之瀬｢あはは…くっつく?｣
A｢お断りします。｣
一之瀬｢冗談だって｣

…一之瀬が言うと冗談に聞こえない…。

A｢早く帰ろ…寒いし｣
一之瀬｢うん。そうだね｣

と一之瀬が言ったのを聞いて私は歩き出した。
だけど横を見てもいつもならいるはずの一之瀬がいない。
…おかしい…。

A｢いちの＿＿｣

と私が名前を呼ぼうとした瞬間…視界が真っ暗になった。

A｢?!｣

と私は一瞬パニックになっていた。
私のまわりには…彼＿＿一之瀬の匂い。
これって…"抱きしめられてる"…?
状況がわかってしまい私の体はすごく熱くなった。
多分…いや絶対顔は真っ赤だ。

一之瀬｢A照れすぎでしょ…｣

と彼は言いもっと強く抱きしめ耳元で囁いた。

一之瀬｢これで寒くない…よね?｣