黒い彼女に生を寄せて【gr】 (ページ6)

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No.5　再会ページ6

Aside

それから1週間。

あっという間に過ぎた。
いや、仕事に追われたというのが正しいか。

ダリに私が休暇中の行動については伝えた。
心配はいらない。私の部下だからな。

私の部屋で"行ってくる"と心の中で言い、転移魔法を唱え始めた。

魔法を唱え終わる頃、少し私の記憶が流れ込んできた。

私が、人間界に憧れていた。

こんな記憶、私は"知らない"。

人間界のグルッペンの所に転移する瞬間、私は"人間"に姿を変えた。

この人間の姿がグルッペンが望んでいる姿だ。

グルッペンの所に到着した時、そこには以前は見なかった人間もそこにいた。

どうやら会議室らしい。

『来たぞ、グルッペン。』

gr「...Aか？」

『そうだ。お前がこの姿を望んだ、だから、gr「A！！」...！』

グルッペンは私を見ると、いきなり私に抱きついてきた。元の体より小さくなった私の体はグルッペンに包まれた。

肩に何が温かいものが伝わる。

何故かグルッペンが泣いている。

私は自分の意図と反してグルッペンの背中を撫でていた。

なぜだろう、この姿になってどうも自分がおかしい。

「グルッペン！！誰やソイツ！！！」

その声でグルッペンはハッとなったのか、涙を袖で拭いて、私を離した。

gr「あ、あぁ、すまない。説明が先だったな。

彼女の名前は、Aだ。今日から仲間になる。」

『...A・ジラーエ・ヴィラニスタ。許可した覚えは無いが、グルッペンはAと呼んでいる。好きに呼べ、名前などどうでもよい。

よろしくする気はない。私はただグルッペンには逆らわないとだけ言っておこう。』

私が話し終えたら、ギャーギャーとその場にいる人間は騒ぎ出した。その様子を見るに、私のことは何も伝えていなかったのだな。

まるで動物園だ。とてもうるさい。

不意に私の目の前にナイフが飛んでくる。その刃先を私は人差し指と中指で受け止めた。

投げる先が明確だ。投げたのは緑色のパーカーの奴か。

『なんだ、私を殺したいのか？』

zm「...こんな変な奴、俺は反対やで、グルッペン。此奴は殺した方がええ。」

『人間、女だからとなめない方がいいぞ。相手に武器をおくるなどと非道だ。』

武器はどんな風にでも動かせるのだから。

gr「やめろ！ゾム！！Aは俺にとって大切な存在なんだ。」

zm「ﾁｯ...。」

グルッペンの声で緑の人間は武器を収めた。

意外と躾はなっているようだ。