黒い彼女に生を寄せて【gr】 (ページ3)

今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:7,309 hit

No.2　悪魔と人間ページ3

Aside

『"愛情"、"友情"、"家族"、"仲間"...人間はなぜそんな"くだらない"ものの為に自分を犠牲にするのだろうな。私には何も理解ができない。』

私がそう言うと人間は唖然としている。
私が良いと言うことを予想していたようだな。

やはり普通の人間か...。

『...お前は変な奴だ。どこか魔力に似たオーラを感じる。だが、私の勘違いだったようだ。

私を呼び出した魔導書の中に他の悪魔の呼び出し方も書いてあるだろう。欲に飢えた悪魔ならお前の要望をすぐに受け入れるはずだ。』

私は転移魔法を使うために詠唱を始める。

どこからか吹き荒れる風、光出す地面。

久しぶりの"普通の魔法"は居心地が悪い。

gr「待て！俺は、Aじゃなきゃダメなんだ！
もう2度と、離れたくないんだ！！」

そう叫んだ人間は風に逆らって私の方へ歩いてくる。

風で髪が揺れて、その人間の耳についているピアスがよく見えた。

その瞬間、私は詠唱をやめた。

『お前...、なぜ"私のピアス"をつけている？』

見覚えのあるそのピアスは元々"私が"つけていたものだ。いつの間にか、そのピアスは無くなり、私の目で見ることは無くなった。

それをなぜ、人間がつけているのだ。

私は眼の前まで寄ってきたその人間の胸ぐらを掴む。

『お前は、...私の何を知っている？』

手を耳に近づけピアスを取ろうとすると、バチリと弾かれた。

この人間の手にピアスが渡った時、私でも弾く何かの魔法をかけたようだ。

gr「...お前が俺の仲間、契約をするならば俺が知っていることを全て教えよう。」

突然、この人間の雰囲気が変わった。

gr「悪魔は気まぐれ...その言葉はあながち間違っていないのだな。
俺と契約すれば、お前はお前が望むものの全てを手に入れるのではないか？

俺は仲間になってくれればそれでいい。お前からの要望は全て叶えよう。お前の為ならば、俺の魂だって捧げよう。」

コイツは本当に人間か...？

まるで悪魔だな。