豪雨 ページ8
．
「雨なんかクソ喰らえ！！！」
そう私が叫んでいるのには理由がある。
水曜日の部活中。部活で使う備品が切れていることに気付き、猫又監督に相談した。長々と話していて理解が難しかったが、まあ要約すれば部員が使ってるものなので私だけでは何を使っているのか分からないだろうから主将を連れて午前授業の明日放課後行ってこい、とのこと。そしてイヤイヤだが私がクロを誘い、放課後備品買いに来ているというわけで。
「なんて貴重なオフをクロなんかと過ごさないと行けないの」
「こっちのセリフな」
スポーツ用品店に行って、お昼時でお腹が空いてしまいハンバーガーを食べにフードコートへ。折角なら欲しかったものも買っちゃおうと思いアパレルショップ、雑貨店、百均と散々クロを振り回してやった。
無事買い物も終わり家まで歩いてると、綺麗な空が曇り空に一変して、ゴロゴロと雷が鳴り出す。その時、ポツ、と冷たいものがわたしのつむじに落ちた。それを合図にとてつもない音を立てて雨が降ってくる。慌てて屋根のあるお店に走るけど、もう私たちは全身びしょ濡れだ。
「もう最悪…」
「ホントにな…」
そして、冒頭に至るわけ。
「制服ビショビショ…」
なんとなしに頭上のクロに目をやる。本人が言うに寝癖らしい変な髪型は雨のせいで下に垂らされていて制服のシャツも雨の影響で肌が透けている。鬱陶しそうに髪をかきあげる姿は本当に同い年なのか疑うくらいには色っぽかった。そんなわたしの視線に気付いたのかクロと目が合う。ある一点を見つめるクロ視線を追うとそれはわたしの、…
「ねぇ！」
透けた下着だった。黒尾なんかに、黒尾なんかに下着を見られてしまった。どうしよう、明日の学校よりお嫁に行けるかどうか心配だよママ！助けて！！
「何見てんの変態が！！」
「不可抗力」
腕で隠してるけど、それでも黒尾はあわよくば隙間から見えないかなとわたしの胸元をジーッと凝視している。なんで男子はみんなこうなの。変なことしか頭に無いんだ。
「ほら、これ着てろ」
そう言って黒尾が肩に掛けたのはいつも冬になると着ている黒のカーディガン。お言葉に甘えてカーディガンに袖を通すと黒尾の柔軟剤の匂いと、黒尾の匂い。
「…ありがと」
「おー」
なんで、なんで私はこんな奴にドキドキしてんの。
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 443人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
チョギヨ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 泣いてくださったんですかありがとうございます🥹🥹がんばります💖 (3月20日 22時) (
レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
チョギヨ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ごめんなさい今気づきました😿‼️ありがとうございますたくさん見返してニヤニヤしてください💖💖 (3月20日 22時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - まじで感謝します、、、泣きました。嬉しくてこれからもいろんなものをつくってください。応援してます！ (3月20日 21時) (レス) @page40 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - えいやあああああああああああああああああああ！！！！！！！！なんで美味い話なんだああああああああああああ！！もうほんとに黒尾さーん………！最後までニヤニヤしながら見させていただきました最高でした！ (2月19日 13時) (レス) @page33 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
ちよちゃん(プロフ) - めいさん» めいさんありがとうございます🥹海水染みそうですね、、( ˇωˇ ) (11月23日 20時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちよちゃん | 作成日時：2023年11月13日 18時
