187センチVS150センチ【黒尾鉄朗】

悪口 ページ6

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今日は少し、朝から嫌なことがあった。


「てかAキモくない？男バレのマネージャーの」

「あー、あれか。なんかたまに髪型変えたりとかしてるよね」

「マネなんだからオシャレすんなしって感じ」

「噂によっちゃメイクもしてるらしいじゃん？」

「えヤバ色気ついてんなよ」


とまあ、こんな感じで。男バレのマネをやってる以上、1年の頃から先輩にどやされたり何かと嫌味を言われたりとは結構あった。てか私も好きで男バレのマネージャーをやってる訳じゃないし。本当は女バレのマネ志望だったのに。

普段からこーやって悪口を言われることはあるけどどうやらアレの日で情緒不安定な私にはダメージが大きかったらしい。たまたま一緒に聞いてしまっていた研磨が心配そうな顔を私に向ける。


「…大丈夫？」

「大丈夫だよ、慣れてるし！てかこんなんで私が悲しむとでも？」

「ならいいけど…無理はしないでよね」

「はーい！」


強がることは慣れてる。元々責任感もある方だし、不本意だとしても自分の意思で男バレのマネをやることを決めたんだからたかが悪口くらいでへこんじゃいけない。そう思っていても、普段はしないようなミスをしてしまった。


「ごめんやっくん、タオル風で飛んでっちゃったみたいで…」


外に干していたタオルがたまたま風で飛んでいってしまい、昨日の夜降った雨の影響で出来ていた水たまりに入ってしまった。他のタオルはちゃんと洗濯バサミで止めてあるのに、やっくんのだけ忘れていたみたいだ。

幸いやっくんは優しいから許してくれたけど、もうこれ以上ミスしたら監督にもみんなにも怒られてしまう。サポートする側の私がミスなんかしてどうするんだ。

朝の件のせいで一日中落ち込んでいる私を黒尾も、研磨も、やっくんもみんな心配してくれてる。黒尾なんて今日はやけに大人しいし。


「おいリエーフ！！なにサボってんだテメェ！」

「夜久さんすんません！外周だけは勘弁を！！」

「ダメだ！！走って来い！！」

「夜久さぁん…！」


どうやら準備室でサボってるのがバレたらしく、遂に外周が言い渡されてしまった。私も怒られるよ、とは言ったんだけども。なんかバカなリエーフ見てたら元気出てきたな、早くやっくんのタオル綺麗にしないと！



「…A、なんか元気になったね」

「ホントな。いやぁ、リエーフとやっくんのパワーはすげぇわ…」

「クロなんて優しくしても気味悪がられてただけだし」

「それは言わないお約束」

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