7-初詣 ページ40
▷黒尾◁
「クロ、すき、ちゅーして」
「だめ、ほらお水飲みなさい」
「むり。ちゅーじゃないとやだ」
「やだじゃないの」
こんなになるくらいなら飲ませなきゃ良かった。そう後悔するのはもう遅いだろう。今、最愛の彼女がこんなにも酔っ払っているのには理由がある。
「まあ雪は降らないよね」
「そりゃ一応都内ですから」
「おみくじ大凶出たらどうしよう。受験落ちる」
「夜久なら大丈夫だよ」
「そーそー!海の言う通り。てか大凶って大吉より確率低いんだから寧ろラッキーじゃない?」
「それ自分が出ても同じこと言えんのか」とやっくんからツッコまれるA。今日は大晦日。音駒バレー部3年メンツで年越しの為神社に来ていた。
「せーの」
無事に4人で年を越し、Aの合図で皆一斉におみくじを開く。
「お、小吉」
「ラッキー、大吉」
「吉…まあ許容範囲内か」
「Aは?」
俺の言葉でみんなの視線はAに向く。真顔で小さなおみくじを手に持つAの手元を覗き込めば、大きな明朝体で書かれる"大凶"という文字。
「え、大凶」
「まってマジ?」
さっきまでポジティブな言動をやっくん含め俺らに見せていたのに、いざ自分に大凶が出てみるとこれだ。俺は慌てて、自分のおみくじに書いてある恋愛欄を読む。
「理想ばかり追い求めず目の前の人を愛せ…」
「目の前の人…Aか」
「私は誠意を尽くせ、って」
「いっつも黒尾のことバカにしてるからだな」
ひとまず、別れるとかじゃなくて良かった。その後海は親に帰って来いと言われ家に帰り、やっくんは俺らふたりと居るのは気まずいからと自主的に帰宅した。
「ね、あれ高校生でも飲めるお酒だって」
「飲みますか」
そう、これがいけなかったんだ。普通の人は甘酒じゃ酔わないのに、美味しいからと調子に乗ったAが甘酒を2杯飲んでただのお酒を飲んだみたいにべろべろに酔ってしまった。そして、冒頭に至るというわけで。
「すきだよくろ」
「俺も好き、だから水飲んでクダサイ」
「やだ美味しくない」
酔うとデレデレするタイプらしく既にショート寸前だ。主に俺の下半身が。
「酔っ払いは帰りましょーねー」
「やだ、そんなこと言うってことは私の事嫌いなんだ」
その後も散々俺に対しての文句を言うので、息が続かないほどの深いキスで黙らせたのは言うまでもない。
※ちゃんとお家に帰しました
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評価めっちゃ嬉しいです!よろ!!
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チョギヨ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 泣いてくださったんですかありがとうございます🥹🥹がんばります💖 (3月20日 22時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
チョギヨ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ごめんなさい今気づきました😿‼️ありがとうございますたくさん見返してニヤニヤしてください💖💖 (3月20日 22時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - まじで感謝します、、、泣きました。嬉しくてこれからもいろんなものをつくってください。応援してます! (3月20日 21時) (レス) @page40 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - えいやあああああああああああああああああああ!!!!!!!!なんで美味い話なんだああああああああああああ!!もうほんとに黒尾さーん………!最後までニヤニヤしながら見させていただきました最高でした! (2月19日 13時) (レス) @page33 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
ちよちゃん(プロフ) - めいさん» めいさんありがとうございます🥹海水染みそうですね、、( ˇωˇ ) (11月23日 20時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちよちゃん | 作成日時:2023年11月13日 18時