風邪 ページ18
やってしまった。
見間違いかと思いピピ、と無機質な音を立てる体温計に再び目をやるとそこに表示されているのは紛れもなく38.3度の文字。部活に行かないとと朝起き上がったら倒れたのが始まり。適当にベッド脇に置いてあるテーブルに体温計を投げる。
こんな日に限って部活は練習試合だし、ママは仕事だし弟も部活。寂しいな、誰かお見舞い来てくれないかな、なんて考えながら眠りについた。
───
ガサゴソと袋の音がして目を覚ます。ふと音の原因を探るために横を見ると見慣れた黒髪の姿。…え、黒髪？
「お、起きましたかオジョーサン」
「…クロ？！」
思わぬ人物に驚き思いっきり上半身を起こせば襲ってくる頭の痛み。いたっ…と零し頭を抑える。
「コラコラ、いきなり起き上がっちゃダメでしょーが」
子供扱いするようにわたしの頭を撫でて、再度ベッドに寝転がらせる。クロはコンビニの袋から冷えピタの箱を取り出し、目を瞑ると冷えピタが貼られる。熱測りなさい、なんてクロはママみたいに。
「…なんでいるの」
体温計を脇に挟みそう聞いた。
「監督が見舞い行ってやれって。さっきまで研磨達もいたよ」
「…そうなんだ」
みんな部活で、しかも練習試合で絶対疲れてるのに私なんかの為に。とネガティブな思考が頭をよぎる。クロにだけでも謝ろうと口を開いたがそれは叶わなかった。
「あ、謝罪は聞きませんよ。どーせAの事だから申し訳ないと思ってるんだろうケド。」
「…よくわかったね」
「そりゃ大切なマネージャーですから」
やけにクロが優しい。ドキドキと終わりもなく鳴り続ける心音がクロに聞かれてしまいそう。朝も聞いた無機質な音が無言の部屋にひびき渡った。
「…あがってる」
「あらま。何度？」
「39度」
もしかして、こうやって話せてるのも奇跡なんじゃないか。クロは苦笑いしつつコンビニの袋に目を戻す。
「ゼリー買ってきたけど食べます？」
「たべる」
朝から何も食べてないからお腹がすいてるんだ。わたしの大好きなみかんゼリーの蓋を開けてスプーンで掬う。
「ゼリーくらい1人で食べれるよ」
「病人は黙って甘えときなさい。それとも口移しの方が良い？」
子供に託すような言い方に眉間に皺を寄せる。そんなにからかって何が楽しいの。
「はい、あーん」
「…あー、」
口移しじゃなくて、あーんして食べたゼリー。クロに食べさせてもらうゼリーはいつもより少しだけ美味しさが増してるような気がした。
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チョギヨ(プロフ) - 黒尾ファンさん» 泣いてくださったんですかありがとうございます🥹🥹がんばります💖 (3月20日 22時) (
レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
チョギヨ(プロフ) - コーンクリームコロッケさん» ごめんなさい今気づきました😿‼️ありがとうございますたくさん見返してニヤニヤしてください💖💖 (3月20日 22時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
黒尾ファン - まじで感謝します、、、泣きました。嬉しくてこれからもいろんなものをつくってください。応援してます！ (3月20日 21時) (レス) @page40 id: 13c9948002 (このIDを非表示/違反報告)
コーンクリームコロッケ(プロフ) - えいやあああああああああああああああああああ！！！！！！！！なんで美味い話なんだああああああああああああ！！もうほんとに黒尾さーん………！最後までニヤニヤしながら見させていただきました最高でした！ (2月19日 13時) (レス) @page33 id: 45395c9c17 (このIDを非表示/違反報告)
ちよちゃん(プロフ) - めいさん» めいさんありがとうございます🥹海水染みそうですね、、( ˇωˇ ) (11月23日 20時) (レス) id: 35fb781d26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちよちゃん | 作成日時：2023年11月13日 18時
