【実況者】弱点だらけの僕と【wrwrd！】 (ページ20)

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１８話ページ20

Aside

時は遡り、俺が殴られる少し前の話をしよう。

A「エリ、お前だったんだな。」

エリ「なんの…ことでしょう？」

俺はため息をついた。コイツ、普通に話す気ないぞ…

A「お前と何年一緒にいると思ってんだ。ウチの隊だろ？裏切り者がいるの。」

エリは俯いたまま、返事をしなかった。
こういう時のエリは、沈黙は肯定なのだ。

A「で、毒が効きにくい俺に毒をもったってことはこのことを知らない新兵…ウチの隊でそれを知らないのはたった１人だろ？」

エリ「…流石に、見逃してもらえませんか…」

俺はため息をついた。
誰に似てこんな、あまちゃんになったんだろう。
お菓子より甘いゾ。ウチの副隊長

A「エリ分かってるはずだろ。忠誠を誓ったからには、裏取りは許されない。」

ましてや、グルッペンに迷惑がかかる。それだけは嫌だった。

エリ「でも隊長なら分かってくれるはずです。」

俺はもう１度ため息をついた。
エリも自分自身で結構調べてるな。

A「…分かった分かった。今回はお前に一任する。」

エリ「！、本当ですか！」

A「ただ、アイツの口からここにいたいって聞くのが条件だ。」

エリはコクリと頷いた。
全く、随分気に入ってるじゃん。

A「多分、近いうちに俺が狙われると思う。で、エリお前に『俺が毒に弱い』って言う情報をアイツにだけ流してほしい。」

エリ「…分かりました。」

相手は絶対にエリに濡れ衣を着せる。
後は、進むだけのシナリオ。
自分で作ったシナリオに縛られた役者がどう踊るか…楽しみだな。