【実況者】弱点だらけの僕と【wrwrd！】 (ページ17)

今日:6 hit、昨日:1 hit、合計:27,737 hit

１５話ページ17

Aside

真っ白な壁と、真っ白な天井。
全てが真っ白な世界に思わず目がチカチカしそうだった…なんて、誰しもが思うだろう。
俺を除いて。

林檎を無限に切り続けるひとらん。剥いた林檎を片っ端から食べるグルッペン。
林檎を押し付けるゾム、押し付けられ断るトントン。

A「ちょい、何でこんなに幹部が勢揃いしてんの？」

「「「どっかの誰かさんが怪我したからやろ」」」

そう言われてしまうと俺はぐうの音も出ない。
ただ口を閉ざして、知らん顔するだけだ。

グル「A、すまんかったな。」

A「謝んなくていいよ、後。それ俺の林檎だから」

ひと「A、ごめん…最後の1切れだ」

うちの幹部食べすぎぃ…なんて、今に始まったことじゃないけど。

「失礼します。」

コンコンとノックが聞こえ、顔を上げると、いつも冷静沈着で、怪我なんて滅多にしないエリの顔が傷だらけになっていた。

A「ふは！おま…誰にやられたん」

と笑いながら問えば、ふいっと視線を外して、書類だけを机に置くと、そのまま立ち去ろうとする。
俺は怪我してない右手を伸ばしたが、届かないので仕方がないので左手を伸ばしてエリを捕まえた。

エリは目を見開いて、払おうとした手が止まった。
流石に、怪我してる方の手だから雑に扱えないと言うことなのかな。

俺は口角を上げて、握った手に力を入れた。

A「ちょっと話し相手になってくれへん？」

下手くそなコネシマに似せた訛り。
エリは俺を睨みつけたあと、大人しく座った。