3噺 ページ5
Aside
私の昼は慌ただしい。
コネ「A!グルッペン見なかったか!?」
シャオ「アホやろシッマ!Aに言ったところで言葉が通じへんやろ!?」
…いや、私には伝わってるぞ…
なにせ元人間だからな。
どうやら、グルッペンが、いなくなったらしい。
コネシマとシャオロンは通じる通じないで、口論を始め、2人して武器を取り出した。
書記長のトントンに見つかったら粛清ものだな…なんて…
しかし、2人は口論をやめない。
…仕方ない、たまにはこっちの味方をするか…
にゃ、と小さく鳴いてトテトテと短い前足と後ろ足を使って数歩前に行き、振り返って尻尾を振る。
すると狂犬2人は顔を見合わせ、私の方へ歩き出したのを見て、駆け出す。
あの2人が見失わないよう、少しスピードを落として…
門の方に走っていくと…あぁ、やっぱりいた。
一般階級の新兵の中に1人、私のよく知ってる匂いが混じっている人物を見つけた。
やっぱりいた。
どうやら今日は念入りに匂い消しをしたらしいがすぐに分かる。
私が新兵に近づいて、靴の上に乗った。
グル?「っ…」
ササッと私を抱き上げた時に、丁度あの2人がきた。
コネ「グルッペン…やな」
シャオ「見つけたでグルッペン!」
彼はかなり焦っているようで私を腕の中に閉じ込めた。
グル?「なんのことですか…?私には全然話が見えないのですが…」
と、とぼけたので私はするっと抜け出して、じゃれる様に帽子を取ってやる。
ハラリと落ちる金色に、コネシマとシャオロンは、サッと彼の腕を掴んだ。
ほぼ、同時に。
コネ「観念するんだな!グルッペン!」
シャオ「トントンが部屋で待ってるで?」
グル「ぐぬぬ…裏切ったな、A…!」
何のことやらと、私はフイっとそっぽを向く。
グルッペンはそのまま連れられ、建物の中に消えた。
…どこか懐かしい感じがするのはきっと、人間の時にここの兵士だったのだろうか…
僕はまだ、上でキラキラと輝く太陽を見つめた。
グルッペンside
シャーッとカーテンを開けると、たくさんの機械に繋がれた男性がいる。
俺はそっと、彼の隣に座り血色の悪い肌に触れる。
…前より少し伸びた明るい茶色は、彼の血色の悪い肌を際立たせる。
グル「…今日も空が綺麗だゾ」
心臓も、脳にも、異常がないのに起きない彼はまるで魂が抜かれたようだ。
グル「はやく…戻ってこいよ」
A。
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作者名:翔和 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月23日 21時