元"メンバー"で元"彼女"？！〈SnowMan〉 (ページ35)

今日:4 hit、昨日:34 hit、合計:161,439 hit

35 ページ35

.

『樹、寝たね』
翔「A呑まねーの？」
『…私が禁酒してる事を忘れるな』
翔「してねーから言ってんだよ」
『あー、てかそろそろ帰らなきゃだ』

1人大量の缶ビールを開けた樹が、寝息をたて始めて翔太がそっと毛布をかける。

『樹が酔うなんて珍しくない？』
翔「…あいつもあいつで思う事があんだよ」
『思う事？』

私の問いに少し微笑んだ翔太は、「ほら、もう帰るだろ？」と家の鍵をくるくると回しながら玄関に向かう。

『ううっ…さむ』
翔「まだ夜は冷えるよなー」

3月上旬、まだまだ寒さが体を突き刺してぶるっと震えてしまう。

『てか送らなくていいのに』
翔「さすがに1人では帰せねぇ」
『わーお、さすが女の子の扱い手慣れてるね』
翔「お前本当うるさい」

翔太と私の家は割と近くて、歩いて15分くらい。
何があっても絶対帰りは送ってくれる翔太を優しいなって昔から思う。…本人には言わないけど。

翔「Aさぁ、なんで樹と付き合った？」
『へ…？』
翔「いや…樹も風磨ともさ…あん時お前ふっかが…」

少し遠慮がちに話し出した翔太は、私の顔を見ず前だけを見つめていてその表情はよく見えない。

『なんでって…急になによ、』

ぼそっと呟くと、翔太が一瞬こちらに顔を向けてすぐに晒される。

翔「…付き合ってて、Aが幸せそうだったとこなんてたった一度も見てねーけど、俺」

"わかんねぇよ、昔も今もAがなにをしたいのか"
翔太は前を向いて歩いたままそう呟いた。