元"メンバー"で元"彼女"？！〈SnowMan〉 (ページ17)

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宮舘side

舘「…ほら、翔太。帰るよ」
翔「んー…」

俺の声に隣でうっすらと目を開ける翔太。
Aと3人で飲む時に翔太がこうなってしまうのは珍しい事ではない。

翔「…あれ、Aは？」
舘「帰ったよ、さっき」
翔「ん、…そっか」

そんな翔太をめんどくさい、ってAが先に帰ってしまうのもいつもの事。だから翔太を家まで送り届けるのは俺の仕事。

翔「…あいつさ、まだふっかが好きなの？」
舘「さぁ、どうだろうね」
翔「…はぁ、まじでありえねぇ」

起きあがった翔太の動きで、机の上に置かれたグラスがカチンとぶつかり合って音を立てる。

舘「…そんなに落ち込むなら言わなきゃいいのに」
翔「はっ…うるせぇー…」
舘「Aが翔太を見ていない事なんて、ずっと昔から分かってたでしょ？」

俺の言葉に怪訝な顔をした翔太は、本当にわかりやすい。

舘「その当てつけのように女の子と遊んでも、意味なんて無いと思うけど？」
翔「っ…！わかってるよ、そんな事」

翔太の苦しそうな顔を見るのは、なんだか俺も辛いから…
だから翔太にだってちゃんと新しい恋に進んで欲しい。

沢山の女の子と遊んで、時にはファンの子とも繋がってそんな翔太が"カスジュ"なんて呼ばれてるのは本人もちゃんとわかってて、

舘「…翔太はさ、ちゃんと向き合わなきゃダメなんだよ」
翔「…は？何に？」
舘「…何って、自分の気持ちにさ」

Aはそんな翔太を見て、いつも顔を歪ませてるから。

舘「本当は長い片想い拗らせてるくせに、本当素直じゃ無いんだから」
翔「…ムカつく、その言い方」

グラスに残ったお酒を一気に飲みほした翔太が立ち上がって、気だるそうに帰り支度を始めた。

舘「…今のAの気持ちは誰に向いているんだろうね」
翔「…ん？なんか言った？」
舘「いーや、なんにも」

はは、と笑うと翔太は不思議そうにこっちを見ていたけど、俺は気にせず立ち上がった。