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『えー、やだ』
滝「お前に拒否権はない」
高そうなインテリアが飾られた一室。
目の前にいるこれまた高そうなスーツに身を包んでいるのは我が会社の社長である。
『なんで急にマネージャー?』
滝「…Aならやれるって思ったから?」
『…なんで疑問系なのよ』
分厚い資料に目を通しながら、淡々と私の質問に答えていくその冷静さがやけに鼻につく。
『無理だよ、マネージャーなんて。やった事ないもん』
滝「やった事ないのは知ってる」
『私にだって私の仕事があるの。だからー、無理!』
私の言葉に資料から目を上げた滝沢君は、はぁと深いため息を着いた。
滝「…仕事?たとえば?」
『そりゃあ!…えと、来客対応とか』
滝「お茶出してるだけだろ」
『ほら!Jr.の稽古見たりとか!』
滝「お前が稽古中寝てるのは知ってんだよ」
『後はー、振り付け!そう、振り付け考える!』
滝「それは大丈夫。ちゃんと後任を見つけてきたから」
『ちょっと!なんで勝手に…』
『見つけてきてんのよ』って言葉は、喉まできて引っ込んだ。
だって怖いんだもん、滝沢君。
滝「Aさぁ、今年で何歳?」
『25歳』
滝「25歳はもう大人だよなぁ?」
『そりゃもちろん』
見た目も中身も大人の女性になりましたとも!
滝「三大義務って知ってる?」
『は?なにそれ?』
滝「教育、勤労、納税」
『…ほぉ』
滝「だからな、ちゃんと働こうな」
『くっ、パワハラだ』
滝「何がパワハラだ、ばか」
笑いつつも厳しい瞳で立ち上がった滝沢君は、
机をガサガサと漁りだすと1つのファイルを私の目の前に差し出した。
『…なに、これ?』
滝「ん?お前が担当するグループの資料」
人差し指と中指でそろーっとその資料をめくる。
…あぁ、なるほどね。
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MOKA(プロフ) - あたりんさん» コメントありがとうございます(^^)楽しんでいただけるようにこれからもがんばります!! (2月13日 17時) (レス) id: c600d1316e (このIDを非表示/違反報告)
あたりん(プロフ) - 続き楽しみです! (2月13日 15時) (レス) @page10 id: 8619ea3777 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:MOKA | 作成日時:2024年2月13日 2時