53話 ▽ ページ6
・
「…はぐれちゃいましたね。」
『先に、進みましょう。』
「そうですね。」
強い吹雪の中、私達は道に沿って進んでいく。
そして、辿り着いた場所には
「ムフォフォ！ムフォフォ！」
近くから何かの鳴き声が聞こえた。
『…何か、近くにいる。気を付けて…』
剣を構え、イレブンの前に立つ。
その声の持ち主は誰かと戦ってる様子だった。
一体誰と…
「あれって…」
見覚えのある黒い鎧。
やっぱり、救援に来ていたのはデルカダールの所だったのね。
『グレイグ……。』
「ハァッ」
グレイグ一人で立ち向かう。
結構いい戦いだけど、視界が悪い。
何度大剣を振っても魔獣には当たらなかった。
「ムッフォ！ムッフォ！」
「おのれ、魔女の手下め…！」
グレイグは魔獣に向けて突撃するが雪を巻き上げて視界を遮る魔獣。
「お、お前は……悪魔の子⁉…それにA!⁉
どうして此処に…」
グレイグは私達に気づく、
『!!?グレイグ、前！！』
私達を見ていて前を見ていなかったグレイグは魔獣に吹き飛ばされた。
「くっ！俺とした事が！」
魔獣はグレイグに向かって歩み寄る。
『…駄目……!!』
私は咄嗟に魔獣に向かって走り寄る。
素早く剣を振るがやはり空振り。
視界が悪く、雪で足が沈み動きづらい。
「ムフォ！ムフォフォ！」
『!!?ｷｬｧｯ!!』
蹴りを喰らい、後ろに吹き飛ばされる。
「A！！！」
グレイグが私の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
木に頭を強く打ち気を失ってしまった。
▽
ｻﾞｯ
ｻﾞｯ…
『……ん、』
誰かの背中で目が覚めた。
「目が覚めたか？」
『……グ、レイグ？』
「お前がやられた時、ヒヤッとした。
そう簡単にやられる筈がないと思ってるんだが…」
『……イレブン、達は？』
「……あの後、奴の仲間が直ぐにやってきた。」
『そう、良かった……』
ｷﾞｭｳｯ
何か不安になってグレイグのマントを握った。
「どうした？」
『………ううん。』
「お前を一度デルカダールに連れて戻るがそれでもいいか？」
『＿……。えぇ、良いわ。』
イレブン、皆さん。
ごめんなさい、私は一度デルカダールに戻ります。
でも、必ず戻りますから。
どうかお許しください。
グレイグの背中におぶられながら私はデルカダールに向かって行った。
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ちゅん(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。すっごく面白くて大好きになりました！もう更新はされないんですか？更新待ってます。 (2021年5月24日 23時) (
レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
声優2次元大好き！(プロフ) - この作品大好きです！ 続き楽しみにしてます！ 更新頑張ってください！ (2018年12月15日 19時) (レス) id: ab94ca0abd (このIDを非表示/違反報告)
まほ - コメント失礼します…語彙力なくて説明出来ないんですけどほんと好きです！更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年11月25日 23時) (レス) id: c27f112a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りな | 作成日時：2018年9月18日 14時
