61話▼ ページ14
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『…陛下、私は頼りないですか…?』
「そんな事はないぞ。Aも十分頼りになっている。」
『…ですが、今は…こんな状況。
武力がなければ何も動かない…。彼と比べても力の差が広がるばかり…。
何も……役に立てなくて……』
「……A、きっとグレイグにもAを外した理由がある筈だ…。」
『分かってるんです…理由があるくらい……。なのに‥何だか聞くのが少し怖いんです‥。』
「怖い、だと?」
『力になっていないのなら、役立たず、足手まといだの‥そんな事しか考えられなくて…。』
「…ふむ、A…あやつは心配なだけではないのか?」
『心配…ですか?』
「さよう…、共にいたAを傷付かせたくない一心で言ったことなのではないか?」
『そんな事…グレイグの頭にはないと思われますが‥』
「そんな事はないぞ、あやつにも守りたいものが何かしらある。国や民以外のな……。その何かは今のわしには言えないがな…」
『陛下…』
「ほら、ずっと落ち込んでおっては騎士として…失格だぞ。民にも心配させてはならぬぞ」
『…すみません…。直ぐに…戻りに…』
いつの間にか、瞳から一筋溢れた涙を優しく拭いでくれる陛下は優しい表情をしていた。
「Aは…我が子同様に育てたような者…Aの事なんか直ぐに分かってしまう。」
嗚呼…だから私は陛下を慕っているのだ。
ウルノーガに取り憑かれたあの日からの異変も徐々に感じていた。
今、ウルノーガが抜けた今…陛下を支えるのが今の私の役目。
グレイグ、私を外した理由、この事だと勝手に解釈するわ。
だから…
負けたら承知しないわよ。
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複数の重症人もあったが、無事魔物の軍勢を討伐し終わったらしい。
…私の今の顔、可笑しくないかしら‥。
泣いてた、なんてわかりやすい顔をしてないかしら
だけど、グレイグは何も気付かなかった。
(良かった…グレイグが脳筋で←)
「この度のはたらき、見事であった。グレイグ、そしてイレブンよ…。
お前達のその強さを見てわしは確信した。この地に光を取り戻す戦いを今こそ仕掛ける時だとな。
魔物の巣窟と化したデルカダール城に潜入し、常闇を生む魔物を打ち倒す……。
お前たちにこの作戦を任せたい。」
「!?お言葉ですが、王よ…!」
王の命令に反対をするグレイグ…。
まあ、当たり前よね…
でも、陛下には策があるもの…
それに、私だって此処を守るくらい簡単よ…
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ちゅん(プロフ) - 初めてこの作品を読ませていただきました。すっごく面白くて大好きになりました!もう更新はされないんですか?更新待ってます。 (2021年5月24日 23時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
声優2次元大好き!(プロフ) - この作品大好きです! 続き楽しみにしてます! 更新頑張ってください! (2018年12月15日 19時) (レス) id: ab94ca0abd (このIDを非表示/違反報告)
まほ - コメント失礼します…語彙力なくて説明出来ないんですけどほんと好きです!更新頑張ってください(*´ω`*) (2018年11月25日 23時) (レス) id: c27f112a36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りな | 作成日時:2018年9月18日 14時