2話 「助けてくれたのは喫煙者でした」 ページ3
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(………まさか、つけられてる…?)
後ろから感じていた気配は図太く付いてきていた。
いつか消えると思っていたけど…。
歩くスピードを早めても離れる事はなく付いてくる
まさかのストーカーに遭ってます。
こんな思いは初めてでどうやって対処すればいいのか良く分からない。
警察に相談してもいいけど大事にはしたくないし
もし違ってたら迷惑が掛かる…。
私が自分で解決するしかない。
そう思ってるけど……、
(どうやって解決するの…?手っ取り早いのは撒くしかなさそう)
早足で進むけどしっかりと付いてくる不気味な足音
振り返ってみると帽子を目深に被った中肉中背の気味の悪い男がいた。
『ヒィッ』
目が合った気がした。
一瞬で襲ってきた恐ろしさに足が竦んでしまった。
『ぁ……、こ、ないで…ッ』
「い、ひひひ……捕まえ、たァ」(ニタァ
『ヒッ…』
腕を掴まれる。
手汗なのか、男の手は凄くヌルヌルしていた。
『いやっ放してっ!!』
腕を振り解き、持ってた袋を男の顔面にぶつける。
卵とか割れ物は入ってなかったからそんな効果は与えられなかったけど少し効いているようで手で顔を覆っていた。
その隙に走って逃げる
だが…
グキッ
『…い"…っ』
足を捻り地面と挨拶をする形で転んだ。
「い、ひひひ…もう、逃げられない…ねェ」
迫り来る男から後退る。
背中に感じるコンクリートブロックの塀が今だけ邪魔になってしまう。
『だ、れか……ッ』
・
「……何を、している。」
目を瞑った数秒後に聞こえる低音の声。
男の声じゃないのは分かった。
誰か、助けてくれたんだ…。
そう思った私は瞑っていた目を開けた。
そこにいたのは…、
ニット帽を被り、煙草を吸っている男性だった。
(あ、煙草…。)
どうしよう、助けて貰ったのに彼も避けたら
私最低な人間だ……。
気づいたら男は撃退されていて目の前にはニット帽を被った彼が立っていた。
「大丈夫か?」
『は、はい…ありがとうございます…。』
「…足、捻ったのか?」
そんな細かい所まで気づいてくれる彼。
尚更、私酷い人だ。彼も避けたら…印象悪いんだろうな。
『そう、みたいです。』
取り敢えず返事はしておかないと、
本当に駄目になってしまうかも。
「歩けないのなら家まで送っ…」
『大丈夫です。そこまでしなくても…!』
咄嗟に話を途切り答える。
煙草が嫌いだって伝えれば良いだけなのに…
その言葉が喉を通らなかった。
彼はそうか、と呟き去って行った。
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秋桜 - 楽しみながら読ませていただきました。これからも更新頑張ってください! (2019年1月11日 21時) (レス) id: 07c08a8855 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - こんばんわ!!赤井さんかっこいいですよね!!とても面白いです!!更新頑張ってください!応援してます!! (2019年1月5日 23時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - とても面白いです!!更新楽しみにしてます! (2018年11月3日 10時) (レス) id: d0b35e2f73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りな | 作成日時:2018年10月28日 9時